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顎関節症(その2)
以前はかみ合わせの異常が顎関節症の主原因と考えられていたそうです。顎関節症の患者さんにかみ合わせの異常が多くみられ、かみ合わせを治療すると、顎関節症の症状も一時的にせよ改善された例が少なくなかったからです。しかし、現在では、かみ合わせの異常は顎関節症の原因ではなく、むしろ結果というのが大方の見方です。顎関節症は、さまざまな因子が積み重なって発症すると考えられています。よく見られるものでは、歯の治療のためにずっと口を開けることや、歯ぎしり、くいしばりなどは、あごに過剰な力をかけてしまいます。ストレスは、無意識のくいしばりや、筋肉の緊張、睡眠障害を招き、睡眠中のくいしばり、歯ぎしりの原因になります。うつ伏せ寝、ほおづえは、筋肉や関節の負担を増します。
歯ぎしりやくいしばりなどの因子をひとつひとつとり除いていくことが顎関節症の治療になります。日常生活のなかでセルフケアをこれを行ってもらうことが重要です。セルフケアは、原因排除のための方法と、関節障害改善のための安静、負荷の軽減、筋障害改善のための負荷の軽減、筋ストレッチなどがあります。何もしていないときに上の歯と下の歯が接しているだけでも筋肉に負荷がかかっているのです。日中は、くいしばることが多い人は上下の歯の間は離しておきます。ときどき歯の裏側や上あごを舌でなめるようにするとよいでしょう。温めたタオルで緊張の強い部分を温湿布したあとの筋ストレッチはさらに効果的です。よい姿勢を保つことも重要です。うつ伏せ寝も同様に首の筋肉を緊張させます。質のよい睡眠をとって歯ぎしりやくいしばりを防ぐためには、リラクゼーションが大切です。心地よい眠りを招くために、日中適度に運動したり、低温入浴でからだを温めリラックスするなどの工夫が必要でしょう。
顎関節症は指示に従ってセルフケアを継続すれば、長くても数か月から半年で9割の人が治ります。ぜひセルフケアをやっていただきたいと思います。
永山 憲市 |