26 June 2003 感染症 その1
手足口病
 

手足口病
Hand,Foot,Mouth Disease(HFMD)

 

6月に入って暑い毎日が続いておりますが、このような夏型の時期(シンガポールはいつも暑い)に、手足口病がはやるのは世界中どこも同じようです。日本もこれから7月、8月にはやります。今回は手足口病について述べます。

手足口病は3日〜7日の潜伏期間をおいて名前のとおり手、足、口に水疱性の発疹ができる小児疾患で、よくかかるのは1〜3歳で5歳以下が90%以上です。軽い発熱(37.5℃から38℃)が見られます。合併症としては非常に少ないのですが心筋炎、脳炎、髄膜炎が報告されています。

手足口病の特徴は色々なウイルスで手足口病は引き起こされるため、何度も手足口病になることです。毎年のように手足口病になってしまうお子さんがいらっしゃるのも事実です。本質的にはマイルドな病気でいつの間にかかかって、いつの間にか治ってしまったというお話もよく聞きます。ただ、問題になるのがシンガポールでは法令により手足口病になった場合、幼稚園などへの登園が7日間禁止となることです。これはどうしてかというと手足口病の流行中に、急性脳炎などにより急死した小児例がマレーシア(1997年)・台湾(1998年)で報告されたからです。また大阪でも心筋炎合併例が集中して報告されたことがあります。実際には非常にまれなのですが(1%未満の頻度)、合併症を疑う症状(発疹の初期2〜3日間)は以下のようなものです。

元気がない。
頭痛・嘔吐がする。
38.5℃以上の高熱が2日以上続く。

治療法として、口の中の発疹はいわゆる口内炎と同じなので痛いことが多く、口内炎の塗り薬が必要になります。痛みにより食べたり・飲んだりするのがつらくて、軽い脱水状態となることもあります。しみないような(りんごジュースなどあまりすっぱくないような飲み物がよい。)飲み物をあげてください。あまりかゆみは訴えないのでかゆみ止めとかは不要です。解熱剤もあまり使用しないことが多いでしょう。いつもと変わらない生活で問題ありません。

ただし、治ってから幼稚園などに行っていただくときには医師の治癒証明書のような書類が必要になります。

予防法は月並みですが外出後、食事前、トイレ後の「手洗い」です。SARS以来、手洗いの重要性が強調されてきましたが、手足口病の予防にも手洗いは有効です。

永山 憲市

 

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