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ヘイズ(煙霧)について
最近、マレーシアのクアラルンプールが深刻なヘイズ(煙霧)の影響を受けているとの報道がありました。
ヘイズはインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島の農民が焼畑の為に野に放った火が森林に燃え移ることによる山火事が原因で起こります。さらにエル・ニーニョと呼ばれる現象が現れた年の異常乾期には、数多くの木が激しい乾燥に耐えるために落葉するなど、森林全体が燃えやすい状態となり大火災に発展する事があります。これがマレー半島西海岸の雨季である5月から9月にかけて吹く南西モンスーンに乗ってやってきて、マレーシア、シンガポールがその直撃を受けるのです。
数年前にはマレーシア観光産業は大打撃を受け、シンガポールでは1ヶ月以上に渡り焦げ臭い煙に包まれ屋外での体育の授業を中止する程の騒ぎになりました。シンガポール政府は、大気汚染指数(PSI)が24時間以上300を超えた場合、学校を休校とするといったヘイズ対策要綱を定めています。この指数はTV放送で常時掲載し、市民に注意を呼びかけています。また、当のインドネシアでも呼吸器疾患のため死者が出るなど、ヘイズは大きな国際問題に発展しています。
アセアン環境担当閣僚会議では、各国はインドネシア政府に焼き畑式農業を禁止するよう求めました。合わせてプランテーション農園所有者への、火災発生時の消火を義務づける法令の制定もインドネシア政府に要請しました。一方、シンガポール政府やマレーシア政府は、インドネシア政府へのヘイズ観測機器の提供や森林火災対策に携わる人材の育成を行うなど、積極的な支援策も実施しています。しかし、インドネシア政府の対応は、原因を絶つ「予防療法」というよりも、発生した火災を地道に消火していく「対症療法」の色合いが強いため、周辺国がイライラしているのが実情です。
ヘイズによる健康への影響としては、目の炎症を引き起こす、鼻の粘膜を刺激し鼻水が出る、喉の粘膜を刺激し呼吸に障害を与える、微粒子が肺組織を傷つけるなどがあげられます。
個人で行うヘイズ対策は以下のような事があげられます。多くの水分を飲み、口や喉を洗浄する。きれいな水で顔や手足を洗い、体に付着したヘイズを取り除く。なるべく外出を控える。保護マスクを着用し、呼吸により微粒子が体内に入るのを防ぐなどです。体調に問題が生じた場合は、早めに病院で診察および治療を受けるようにしましょう。
大西 洋一 |