12 Jan 2006 保健便り その18
体温調節
 

体温調節

四季がないとはいえ、シンガポールにも寒暖の差があります。じりじりと暑い日があったり、肌寒い日があったり。外気だけでなく、屋内も冷房がききすぎていて困ったという経験が、みなさんもよくおありかと思います。こういうとき、意識・無意識的に、衣類や食べ物で調節しています。今回は、体温調節についてお話したいと思います。

私たちの体温は、ほぼ一定に維持されています。これは、体内で生産される熱の量と体外に放散される熱の量のバランスが一定に保たれているからです。
熱の生産は、体内のすべての組織細胞の物質代謝に伴いおこなわれます。物質代謝の盛んな骨格筋や肝臓で熱は主に生産されます。生産された熱は、血液を介して全身に平等に分配されます。熱の放散は、主に皮膚や肺などからなされます。

この熱の生産と放散を調節しているのが、視床下部にある体温調節中枢です。この中枢は、皮膚にある温度感覚の受容器(温点・冷点)からの伝導により反射的にはたらき、汗腺、皮膚の血管、筋肉、あるいは呼吸中枢に作用することで、体熱の生産と放散を調節して体温を正常に保ちます。この保たれたレベルが、何らかの病的原因でより高くセットされることで、発熱はおこります。

それでは、寒いときと暑いときの、それぞれで見てみましょう。
寒いとき、つまり気温の低い環境にさらされると、体内の熱生産は亢進し、体熱の放散は抑制され、体温が下降しないように調節されます。甲状腺ホルモンやアドレナリンが分泌増加し、細胞内の物質代謝が盛んになります。同時に皮膚の血管は収縮し、「鳥肌」によって体熱の放散が抑制されます。私たちも意識的に温かいものを食べ体内で熱を生み出そうとし、上着を羽織って冷たい外気に触れる部分を減らし、体熱の放散を最小限に抑えようとします。寒いときに無意識にふるえるのも、骨格筋を運動させることで、熱の生産を助けているのです。
反対に暑いとき、つまり気温の高い環境にさらされると、反対の調節がなされ、体熱の放散が促進されて体温の上昇が抑制されます。具体的には、皮膚の血管が拡張し、血流量が増加して、体熱の放散が促進されます。皮膚を露出することで、外気に触れる部分を増やし放散を助けます。プールや冷気にあたるのは、皮膚の血流を直接冷やす効果があります。そして熱いときに汗をかくのは、汗が蒸発するときに体の熱を奪って体外に気化熱として放出するためです。

熱の生産と放散の仕組みを知り、上手に体温調節をして、今年も元気にお過ごしください!

看護師 大谷 悦子

 

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