19 Jan 2006 医療コラム(Dr 永山) その19
脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)について
 

脂漏性湿疹について

今回は一般皮膚科外来で最も診る機会が多い脂漏性湿疹についておはなしします。

脂漏性湿疹は皮脂の分泌が多い部位(頭・首・耳たぶなど)あるいはよく擦れる部位(腋の下・へそ・股部・肛門周囲・乳房の下)など豊富な皮脂の存在を背景にして発生します。脂漏性湿疹はまた脂漏性皮膚炎ともいわれます。

この湿疹の発疹は軽度のかゆみを伴った比較的境界がはっきりした赤い斑状の皮疹で細かい粉をふいたような状態のことが多く見られますが、時には大きなかさぶたが出来たり、じゅくじゅくすることもあります。頭部に生じるとふけが目立つようになり、そのふけの状態がながく続くと脱毛が起こり、脂漏性脱毛症になることもあります。性別では女性よりも男性のほうに多く発生するようです。年齢的には男女ともに思春期以後に見られます。男性では男性ホルモンの分泌が老年期になっても盛んな人に多く、老年期でもけっこうみられます。女性の場合はどちらかといえば更年期以後は少ないようです。出生後6ヶ月以内の赤ちゃんもこの脂漏性湿疹になるのですが、これはお母さんの胎内での女性ホルモンの影響で発生するものです。

最近、この湿疹の発生にはでん風菌(カビの一種)と黄色ブドウ球菌が関与していると考えられています。日本において季節的にはこれらの菌が繁殖しやすい春から夏にかけて多く見られるのですが、年がら年中夏のシンガポールでは1年中ということになります。

治療法としては、軽症の場合は抗真菌剤のクリーム・ローション、頭部の場合シャンプーを使用します。中等症以上の場合はステロイド剤のクリーム・ローションも使用しますが顔面やわきの下など皮膚の弱い所に湿疹があることが多いのでステロイド剤は出来るだけ作用が弱いものを使います。この残念ながらこの脂漏性湿疹は体質的な要素も強く、治療も時間がかかり、治ったと思っても再発しやすく何年間も悩まされることがあります。根気強く悪化させぬように心がけ、気長に付き合っていくしかないのです。

医師 永山 憲市

 

日本語専用ホットライン : (65) 6311-1190   English Hotline: (65) 6311-2290  Fax No: (65) 6311-2299

 
 
Copyright ©2003 Raffles Japanese Clinic Pte. Ltd. All Rights Reserved