ラッフルズ
ジャパニーズクリニック
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09 Jun 2006
医療コラム(Dr 永山) その
21
インフルエンザの時の解熱剤について
5月、6月になってシンガポールではインフルエンザが小規模ながら流行しているよ
うです。インフルエンザには高熱がつき物なのですが、解熱剤の中にはインフルエン
ザに罹っているときは使用を避けなければならないものがあります。このようなお話
はお聞きになったことがあるとは思うのですが・・・。
例えば、アスピリンなどのサリチル酸系解熱鎮痛薬 は、15歳未満のインフルエンザ患者へは投与しないことになっています。特にジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)を含む解熱剤は15歳未満のインフルエンザ患者へは投与するべきではないと考えられています。インフルエンザ脳炎・脳症を発症した小児患者に関する日本の調査で、ジクロフェナクナトリウムの使用群と他の解熱剤使用群との比較をした結果、ジクロフェナクナトリウムの使用群についてより高い有意性をもって死亡率が高いことが示されました。この研究結果を踏まえ日本の厚生労働省では、ジクロフェナクナトリウムについて、明確な因果関係は認められないものの、インフルエンザ脳炎・脳症患者に対する投与を禁じています。またメフェナム酸(商品名:ポンタールなど)を使った解熱剤についても、アスピリン、ジクロフェジクロフェナクナトリウムと同様に15歳未満の小児のインフルエンザに伴う発熱に対して投与するべきではないと思われます。
それではどんな解熱剤を使用すればいいのかと言いますと、日本小児科学会からの勧
告では、より危険の少ないアセトアミノフェン(商品名:パナドールなど)が適切であると示しています。成人のインフルエンザに対する解熱剤投与に関しての勧告は現時点でも出されてはいませんが、非ステロイド系消炎剤の使用は小児同様に慎重にするべきであると思われます。
また、医療機関での処方薬は、医師が患者の状態を診察して、その状態に合ったものを必要な量だけ処方しており、別の人に処方された薬はもちろん、当人であっても別の受診時に処方されて使い残したものを別の機会に使用することは避けるべきではありますが、現実問題として時に家庭内や知人間で他の人に処方された薬を使用する事があり得ますので、普段からインフルエンザの発熱の際には使用してはいけない薬剤があるとを知っておくことが重要です。別の疾患にかかったときに医療機関で処方された解熱剤の使用、特に家庭に 残っているものを、処方された以外の疾患や他の方に使用しないようにするべきです。また、市販の風邪薬や解熱鎮痛薬の一部にはアスピリンなどのサリチル酸系薬剤などの、15歳未満の小児に対し使用すべきでない成分を含んだものもあり、医療機関を受診するまで差しあたっての処置として使用する際も、使用上の注意をよく読んで用いて下さい。
医師 永山憲市
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