ラッフルズ ジャパニーズクリニック
 

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22 Jun 2006 医療コラム(Dr 吉田) その1
がん検診について
 

先日、日本の厚生労働省から2005年度の人口動態統計の結果が報告されました。これは、日本の人口の増減とそれに関係する要因(出生率や死亡率、死因など)に関する統計です。
その結果では、死因の1位は悪性新生物(がん)で、2位の心疾患と3位の脳血管疾患を合計した人数よりも多くなっています。死因の中の悪性新生物の占める割合は30歳から年齢が高くなるにしたがって多くなり、男では60歳代、女では50歳代でピークとなります。「がん」の中で死因として多いものは、男では1位は肺で、以下胃、肝臓、大腸の順でした。女では大腸が1位で以下、胃、肺、肝臓、乳房、子宮の順でした。この中で男女の胃がんと女の子宮がんによる死亡率は年々低下してきているのですが、それ以外のものはすべて増加してきています。
この報告はあくまで「死亡率」ですので、この結果から胃がんや子宮がんになる人が減っているかどうかはわかりません。もしかすると、「胃がんになる人は増えているけれども、早く発見されているので死亡する人が減っている」ということかもしれません。「がん」の予防法はいくつかの「がん」では発見されていますが、すべての「がん」で予防できる方法があるわけではありません。今でも「がん」に対しては「早期発見、早期治療」が基本です。「早期発見」とは、症状のでないうちに「がん」をみつけることです。症状がなく、どこに潜んでいるかわからない「がん」を見つけるわけですから、全身を調べる必要があります。しかも、年齢とともにが「がん」ができる可能性が高くなるので毎年検査する必要があります。
しかし、毎年、全身の検査を徹底的にするということは身体的にも経済的にも負担が大きくなります。その負担を減らすために「がん検診」というものが行われています。「がん検診」はまず、身体的にも経済的にも負担の少ない方法で検査をします。たとえば、「肺がん」に対しては胸のレントゲン検査、「胃がん」に対しては胃の透視検査、「大腸がん」に対しては便の潜血反応などが行われます。これらのスクリーニング検査で少しでも異常が疑われた場合には、より精密な検査を行うことになります。
この2段構えの方法をとることによって、受診者の負担を減らそうというわけです。また、それぞれの「がん検診」を個別に行うのではなく、「生活習慣病」の検査も含めてまとめて短時間で検査をするのがいわゆる「人間ドック」になります。「がん」も「生活習慣病」も30歳代から発症してくることが知られています。「人間ドック」を定期的に受けていただき、少しでも異常が疑われるときには積極的に精査をすることが健康を維持する上で重要です。

医師 吉田 正
 


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