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咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever)は発熱、咽頭炎、結膜炎症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症です。現在、日本国内では10年ぶりの大流行となっているようです。咽頭結膜熱は数種類のアデノウイルスによって引き起こされます。プールでの感染も多く見られることからプール熱とも呼ばれます。感染経路は、プールを介した場合には、ウイルスで汚染された水から結膜への直接侵入と考えられています。また、タオルを共用したことが感染のリスクを高めたとの報告もあります。それ以外では通常飛沫感染(くしゃみ、咳、鼻水、唾液)、あるいは手指を介した接触感染で、結膜あるいは上気道からの感染です。
アデノウイルスは咽頭炎、扁桃炎、肺炎などの呼吸器疾患、咽頭結膜熱、流行性角結
膜炎などの眼の疾患、胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎などの泌尿器疾患から、肝炎、膵炎から脳炎にいたるまで、多彩な臨床症状を引き起こします。乳幼児の急
性気道感染症(かぜ症候群)の10%前後がアデノウイルス感染症と言われ、アデノ
ウイルスは小児で重要な病原体と考えられます。
臨床症状としては38.5℃以上の高熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂を訴え、5日間程度症状は持続します。また、病気の後半には咳、鼻水、くしゃみを訴えることが多いようです。潜伏期間は5〜7日とされています。
治療法としては特異的なものはなく、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬等を使用する対症療法が中心となります。また中耳炎や副鼻腔炎等の2次的な細菌感染が引き起こされることもあるため注意が必要です。
予防としては、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや流水と石鹸による手洗いを励行することや、プールを介しての流行に対しては、水泳前後のシャワー、うがい、目を洗うなど一般的な予防方法が非常に大切です。学校保健法では、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています(約7日間)。
以上のような病状が認められる時には早めにクリニックを受診していただきたいと思
います。
永山憲市
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