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10 Aug 2006 胃腸疾患 その19 脂肪肝 (Dr吉田)  
 

脂肪肝という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。脂肪肝とは、肝臓に脂肪が蓄積した状態を言います。健診の腹部超音波検査などで指摘されることが多い病気です。

脂肪肝の原因は大きく分けて、アルコール性と非アルコール性に分けられます。アルコール性の脂肪肝はその名の通りにアルコールの過剰摂取により起こるものです。継続したアルコール摂取により起こります。また、非アルコール性の脂肪肝の原因は肥満により起こります。

アルコール性の脂肪肝の場合、肝炎を併発し、肝硬変に進展することもあることが以前より知られていました。一方、非アルコール性の脂肪肝は、肝障害があっても良性のもので、肝炎や肝硬変になることは少ないと言われていました。しかし最近になり、非アルコール性の脂肪肝の場合でも肝炎を起こし、肝硬変になり、さらに肝臓癌が発症することが知られるようになりました。このような脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といいます。

脂肪肝は高血圧や高脂血症、糖尿病などとならんで生活習慣病の一つとされています。近年はこれらの病気はそれぞれ独立した病気ではなく、関連している一つの疾患群であるということからメタボリックシンドロームという概念が提唱されています。

アルコール性や非アルコール性のいずれでも自覚症状はほとんどありませんが、ときどき、右の上腹部の重いような痛みを訴える方がいます。右側を下にして寝ているときや座っているときなどに多く感じ、起立しているとあまり感じません。またアルコールを飲んだり脂っこいものを食べた翌日に強くなることもあります。

血液検査では、γーGTPやGOT、GPTと言った肝酵素が高くなる人もいますが、正常値の範囲の人もいます。診断には腹部超音波検査が有効です。超音波検査では脂肪が蓄積すると、肝臓が白く見えるようになります。その他に、肝臓が腎臓よりも白く見えるかどうか、肝臓の中の血管が見えにくくなっているかどうか、肝臓の深いところまでよく観察できるかなどの4項目で診断します。しかし、ただの脂肪肝か、NASHになっているのかを診断することは超音波検査ではできず、肝臓の組織を採取する肝生検という検査が必要になります。

治療としては、アルコール性の場合には禁酒しかありません。たった350mlの缶ビール1本を毎日飲んでいるだけで脂肪肝になり肝酵素の上昇を認めた方がいます。この方は禁酒によって肝障害がなくなり、脂肪肝も消失しました。また、非アルコール性の場合には減量することが重要です。肝酵素の異常がある脂肪肝の場合、BMI(身長÷体重の2乗)を2程度下げることにより、血液検査が正常になることが多くみられます。また、標準体重(通常はBMI25未満)の範囲の方でアルコールを飲まない方でもNASHと診断され、減量することにより肝障害が改善した例も報告さ
れています。

吉田 正


 

 

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