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26 Oct 2006 予防接種について(Dr 大西) その22 ポリオ予防接種
 

ポリオのワクチンは経口の生ワクチンで、日本では3ヶ月以降の乳児に計2回行います。日本では1960年に史上最悪のポリオ流行があり、翌年からワクチンが導入されました。以後1962年より流行は激減し、ほぼ野生のポリオは絶滅しました。1993年を最後に日本では野生のポリオは確認されておらず、外国からの輸入もありません。日本ではポリオは根絶したと考えられます。以降散発する少数例のポリオ患者は全て、不幸にもワクチン株による患者です。これは接種数100万から300万人に1例と言われており、世界中どこでも避けられない生ワクチンの宿命なのです。


WHO(世界保健機関)ではポリオ根絶の目途がたてば、生ワクチンを中止し、不活化ワクチンに切り替える予定です。アメリカでは既に2000年から不活化ワクチンのみの接種になっています。日本でも切り替えの時期が論じられています。


ポリオワクチンを複数回接種するのは、肝炎ワクチンや三種混合などが接種回数に従って抗体価が次第に上がるのとは理由が異なります。ポリオには3種類の型があり、1回の投与では全てに免疫ができるとは限らないのです。繁殖したワクチンウイルスについてのみ免疫ができるわけですが、1回の投与ではワクチンウイルス同士が干渉しあい、全てが繁殖はしません。2回目の投与では1回目には免疫のできなかったワクチンウイルスのみが繁殖して免疫ができるのです。したがって、WHOでは4回接種を原則、少なくとも3回接種としています。シンガポールでは三種混合と一緒に行うので、通常4回接種(6歳、12歳でも行うので最終的には計6回)です。日本で
は緊急接種の2回法に始まり、以後それが定着してしまったわけですが、根絶の現状
を考えるとそれでも十分な効果があったと考えられます。


ポリオが根絶したと考えられる日本では、ワクチンによるポリオ患者をなくすためにもそろそろ不活化ワクチンに切り替えるべきで、三種混合とセットにした混合注射にすべきでしょう。
シンガポールでも1997年以降ポリオ患者の発生事例はありません。シンガポールでは不活化ポリオワクチンに加え、インフルエンザb菌ワクチンを加えた五種混合注射が接種可能です。


Q:ポリオワクチン服用後、嘔吐してしまいました。予防接種はやり直すべきでしょうか。


A:服用後30分を過ぎていればワクチンは既に吸収されたと考えていいですが、30分以内に嘔吐した場合にはあらためて服用しても問題ありません。嘔吐を避けるため、服用後30分は飲食させないようにしましょう。


補足ですがワクチンウイルスは腸管内で増殖します。ウイルス性の下痢などでは、原因ウイルスがワクチンウイルスに干渉して効果が出ない可能性があります。下痢をしている場合は治ってから受けるようにしましょう。
 


大西 洋一

 

 

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