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胃カメラや大腸鏡と聞くと、「怖い」、「つらい」、「痛い」、「苦しい」などと言う話をされる方が多くいます。これにはご自分の体験談からそういう話をされる方と、友人、ご家族の話からそういう思い込みを受ける方がいらっしゃいます。長い棒のようなものが体に入っていくわけですから、全く辛くないということはありません。
しかし、その苦痛を軽減する方法をいくつか組み合わせることにより、できる限り楽に検査を受けていただくことができます。検査が「苦しく」なる原因にはいくつかあります。内視鏡装置自体の問題、検査する医師の熟練度の問題、検査を受ける方の問題です。
内視鏡は、細ければ細いほうが異物感が少なく、苦痛が減ってきます。より細い内視鏡が年々開発され続けています。日本では経鼻内視鏡といって、鼻から挿入する内視鏡も開発されています。
検査をする医師は、一般に毎回患者様にできるだけ苦痛を与えないように自分なりの工夫をしながら検査をしていきます。ですから検査する医師の経験数が多いほうが検査を受ける方の苦痛を減らす方法を良く知っていることになります。たとえば、経験年数が長くても1年間での検査件数が少なければ、経験年数が短くても経験件数が多い医師よりも熟練しているとはいえません。また、勤務している病院自体の検査件数が多くても検査に携わる医師が多いところでは医師一人あたりの検査件数は少なくなります。検査の経験が多いことはまた、経験した疾患も多いことになります。これは診断能力の差にもつながってきます。
検査を受ける方が検査を拒否される気持ちが強いとうまく検査ができない場合があります。検査の前に緊張するのは当然です。しかしその緊張から内視鏡がスムーズに挿入できなくなる場合が多くあります。シンガポールでは内視鏡検査のときに静脈注射による鎮静剤を使用することが多く、これにより検査の苦痛がかなり軽減されます。
しかし、鎮静剤の効果が切れるまでの間は、車の運転や機械の操作などは避ける必要があります。一方日本では、鎮静剤を使用せずに検査することがほとんどです。これは鎮静剤を使用した場合、その患者様のことを検査後も数時間観察する必要があるからです。また、実際には鎮静剤を使用しなくても熟練した医師ならば、検査中多少の苦痛があったとしてもスムーズに検査をすることは可能なことも理由の一つです。この場合、検査が終わればすぐに帰宅することも、仕事に復帰することもできます。すなわち、日本人の医師による検査ならば鎮静剤を使用することも可能ですし、鎮静剤を使用することに抵抗感がある場合鎮静剤を使用しないという選択も可能となります
。また、検査の必要性を事前に十分理解していただくこと、検査の時に検査医とのコミュニケーションが十分取れることも緊張をほぐすのに必要なことです。
内視鏡の発達と、熟練した医師による検査を受けること、医師とのコミュニケーションや鎮静剤の使用などにより消化器内視鏡検査は思ったよりも苦しいものではないものになってきています。
医師 吉田 正
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