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最近、水痘(みずぼうそう)の患者さんが多く来院されます。水痘は、水痘ウイルスによって起こる急性の伝染性疾患です。その伝染力は麻疹よりは弱いが、おたふくかぜや風疹よりは強いとされ、家庭内接触での発症率は90%と報告されています。発疹が痂皮化するまで(かさぶたができるまで)伝染力があると考えられています。1
970年代に日本で水痘ワクチンが開発され、現在水痘の予防に使用されています。
潜伏期は平均2週間(10〜21日)で、発疹と発熱が初発症状です。発疹は全身性でかゆみを伴い、最初に体部(胸部・腹部・背中)、頭皮、四肢の順で出現し、体部にもっとも多く出ます。数日にわたり新しい発疹が次々と出現するので、急性期には水疱や赤い発疹などいろいろな段階の発疹が混在することが特徴です。またこれらの発疹は、鼻やのど口の中、舌などの粘膜にも出現することがあります。0歳児ではより重症になり、合併症(肺炎、脳炎、髄膜炎など)が出現しやすくなります。また大人がなった場合も重症化しやすいようです。
治療は通常、抗炎症薬などの外用、発熱、かゆみに対する内服薬投与などの対症療法が行われます。皮膚に細菌性の二次感染をおこした場合には抗生物質の外用、経口投与も考慮されます。抗水痘ウイルス剤としてアシクロビルがありますが、重症水痘、および水痘の重症化が予測される例で投与されます。しかし、全ての水痘患者さんに対して一様に投与するべきではないと考えられています。
水痘はヒト−ヒト感染によるので、その予防は感染源のヒトとの接触をさけることが重要です。日本で開発された弱毒化生ワクチンが日本、シンガポール、米国などで認可されていまが、任意接種のワクチンの扱いです。1回の接種での抗体獲得率は約92%と報告されています。米国では、1歳以上で水痘の既往のない全ての小児に対してワクチン接種が推奨されています。全身性の副反応は稀です。しかし、水痘ワクチンは、麻疹・風疹などのワクチンと異なり、ワクチン接種によって抗体が獲得されても、水痘ウイルスに暴露した時に発症することが10〜20%ありえます。ただし、この場合の水痘はほとんどの例で発疹の数も少なく、微熱程度ですむようです。水痘が流行している状況での予防については、患者との接触後できるだけ早く、72時間以内に水痘ワクチンを緊急接種することにより、発症の防止、症状の軽症化が期待できます。
また、日本国内の学校保健法では原則すべての発疹が痂皮(かさぶた)化するまで登校登園停止とされています。
医師 永山憲市 |