|
今回から3回に分けて人格障害の問題について簡単にお示したいと思います。人格障害がある人は、認知、反応、外界との関係のパターンに柔軟性がなく、社会にうまく適応できないという特徴があるようです。
人間や出来事に対する見方やかかわり方には、だれもが特有のパターンをもっているものです(人格特性)。つまり、人はそれぞれ自分なりの流儀でストレスなどに対処しますが、その方法には人によって一定の傾向がみられます。たとえば困ったことが起きたときに、だれかに助けを求めることで対処しようとする人もいれば、自分で解決するのを好む人もいます。問題を過小評価する人もいれば、大げさに考える人もいます。しかし、いつものやり方がどのようなものであれ、精神的に健康な人は最初に取った対応でうまくいかなければ、別のやり方を試してみようとするものです。
これに対して、人格障害の人は融通が利かず、問題に対して適切に対処できない傾向があり、しばしば家族、友人、職場の同僚との関係の悪化を招きます。こういった不適応は多くの場合、青年期から成人期初期にかけて始まり、時がたっても変わることはありません。
また、人格障害の人は、自分の思考や行動のパターンに問題があることに気づいていないことが多いようです。このため自分から治療や助力を求めることはあまりありませんが、その行動がほかの人に迷惑をかけているなどの理由で、友人や家族、あるいは社会的機関によって医療機関に連れて来られることがあります。自主的に来院するのは主につらい症状(不安、抑うつなど)がある場合で、自分の問題はだれかのせいであるとか、自分の力ではどうしようもない状況が原因だと思いこんでいる傾向もあります。
人格障害はおおまかに3つの群に分類されます。A群は奇妙で風変わりな行動、B群は演技的で移り気な行動、そしてC群は不安や抑うつを伴う行動を特徴としています。次回からこの3つのグループの特徴についてお示しします。
医師 永山憲市
|