|
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患といわれる病気の一つです。
粘液混じりの血便(粘血便)、下痢、腹痛、発熱などを症状とする病気です。
潰瘍性大腸炎は、比較的若い人に多い病気と言われていましたが、最近では発症者数が多くなってきており、高齢者での発症もみられるようになりました。免疫の異常によるものと考えられますが、現時点では原因の解明はなされていないため、日本の厚生労働省では「特定疾患」に指定されています。
直腸から炎症が始まり口のほうへ向かって炎症が進行していくのが特徴で、炎症の拡がり具合によって、直腸型、S状結腸型、左半結腸型、全結腸型と分類されます。診断には大腸鏡検査が有用です。大腸鏡でみると、粘膜全体に浅い潰瘍が直腸から広がっていき、炎症が強いときにはそこから出血がみられます。
発症のしかたや炎症の程度などはさまざまで、軽い下痢だけの場合もありますが、中には急激な腹痛と下血で発症する人もいます。また、炎症により長期間の発熱や下痢、下血が認められる場合もあります。
治療は薬物治療が主体となりますが、薬物療法では炎症のコントロールが不良の場合には白血球除去療法という特殊な治療や手術により大腸を切除することもあります。
また、長期間の炎症の持続により発癌する場合もあるため、定期的な大腸鏡検査が必要になります。
治療により改善がみられることも多いのですが、難治性の場合は数年以上にわたり治療が必要なこともあります。数週間にわたり下痢や腹痛が長引く場合や粘血便が一度検査を受けられることをお勧めします。
医師 吉田 正
|