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24 Mar 2007 その25(Dr永山)
人格障害(2)
 

人格障害は3つの群に分類されます。A群は奇妙で風変わりな行動、B群は演技的で移り気な行動、そしてC群は不安や抑制を伴う行動を特徴とします。今回はA群とB群についてお示しします。

A群:奇妙で風変わりな行動

妄想性人格障害:妄想性人格障害の人は、他者を信用せず懐疑的です。特に証拠もないのに人は自分に悪意を抱いていると疑います。このような人は他の人から嫌がられることが多いため、結局は、最初に抱いた感情は正しかったと本人が思いこむ結果になります。また、他の人とのトラブルで憤慨して自分が正しいと思うと、しばしば法的手段に訴えます。対立が生じたとき、その一部は自分のせいでもあることには思い至りません。

分裂病型人格障害:他の人と親しくなることをこわがり、無口で空想を好み、実際に行動することより考えるだけのことが多いようです。社会的にも感情的にも他者から隔絶しています。また、思考や認知、会話にみられる奇妙は統合失調症に似ています。まれに統合失調症の人で発症以前に分裂病型人格障害がみられる場合があります。分裂病型人格障害の人の中には、何か特別な思考や行動をすることでものごとや人をコントロールできるという考え(魔術的思考)を抱いている人がいます。たとえば、だれかに対して怒りの感情を抱くと、その人に災いを起こすことができると信じているような場合がありまます。分裂病型人格の人には妄想もしばしばみられます。

B群:演技的で移り気な行動

境界型人格障害:境界型人格障害は女性に多く、自己評価、気分、行動、対人関係が不安定です。思考過程に乱れがみられ、攻撃的な感情がしばしば自分自身に対して向けられます。怒りっぽく、自己同一性に混乱がみられます。境界型人格障害は成人期初期(青年期)にはっきりと現れてきますが、年齢とともに罹患率は低下します。境界型人格障害の人はしばしば、小児期に保護者による養育の放棄や虐待を経験しています。その結果、虚無感、怒り、愛情への飢餓感があります。A群の人格障害と比べて、対人関係がはるかにドラマチックで強烈です。愛情をかけてもらっていると感じると、過去の虐待経験、うつ病、薬物などの乱用、摂食障害からの救いや助け求めます。しかし、思いやりをもって接してくれている人から見捨てられることへの恐怖感に駆られると、気分が一転して激怒し、しばしば異常な激しさで怒りを表します。気分の変化とともに、周囲の世界、自分自身、他者に対する見方も極端に変化し、すべては白か黒か、善か悪かで、その中間は存在しないと考えます。境界型人格障害の人が見捨てられたと感じ、孤独感にさいなまれると、自分が本当に存在しているのかどうかわからなくなり、現実感を失うことがあります。絶望的なほど衝動的になり、現実から遊離してしまい、軽度の精神病性思考、妄想、幻覚が生じることもあります。

自己愛性人格障害:自己愛性人格障害の人は常に他の人に対して優越感をもっていて、人から褒められたがり、人に共感する心が欠如しています。自分の価値や重要性を過大評価する傾向があります。反対に失敗、敗北、批判などに極度に敏感です。高い自己評価を満たせないと、すぐに激怒したり、ひどく落ちこみます。自分は他の人よりも優れていると思いこんでいるので、称賛されることを期待し、他の人は自分をねたんでいるのではないかと疑うこともよくあります。自分の欲しいものは何でもすぐに手に入るのが当然と考えていて、他者の欲求や信念は重要視していないため、ほかの人を平気で利用します。周囲に迷惑な行動を起こし、自己中心的、傲慢、利己主義とみなされます。この人格障害は概して成功した人にみられますが、成功していない
人にも生じることがあります。

反社会性人格障害:この人格障害は男性に多く、他者の権利や感情を無神経に軽視する傾向があります。他の人に対して不誠実で、欲しいものを手に入れたり、自分が単に楽しむために人をだましたりします。反社会性人格障害の人は、衝動的かつ無責任に、自分の葛藤を行動で表現するのが特徴です。不満があると我慢ができず、敵意を示したり暴力的になったりすることがあります。自分の反社会的な行動の結果を考えないことが多く、他者に迷惑をかけたり危害を加えたりしても、後悔や罪の意識を感じません。むしろ、言葉巧みに自分の行動を正当化したり、ほかの人のせいにします。我慢させたり罰を与えたりしても、それによって反社会性人格の人の行動が改まったり、判断力や慎重さが身につくことはないようです。

医師 永山 憲市

   
 

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