18 Sep 2003 胃腸疾患 その2
逆流性食道炎
 

逆流性食道炎

逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)とは?

逆流性食道炎は、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流するために起こる食道の炎症です。食道は胃と異なり胃酸を防御する働きがないため、胃酸が逆流すると炎症が起きやすくなります。炎症が強いと潰瘍(かいよう)が生じて、出血や狭窄(きょうさく:せまくなること)の原因になります。欧米では以前から多い病気で、日本では少ないと言われていましたが、高齢化・食事の欧米化・診断の進歩により、日本でも非常に多い病気であることが分かってきました。逆流性食道炎ではほとんどの例で胃と食道を固定し逆流を防止している食道裂孔という部分が口の方向へずれ込んでしまっています。これがゆるむと胃の一部が胸部に持ち上がってしまい食道と胃のつなぎ目(接合部)のしまりも悪くなり、胃の内容が簡単に食道に戻りやすくなります。

逆流性食道炎の症状

症状は胸やけを訴えることが多く、特にかがんだ時や食べすぎた後あるいは就寝後に強くなるのが特徴です(これは重力の関係で胃酸が食道に戻りやすくなるためです)。また、げっぷやのどに酸っぱい水(胃酸)が上がってくることがあります。食べ物のつかえ感、胸痛も出てくることがあります。

逆流性食道炎の診断

診断は症状からほぼ見当がつきますが、食道がん等を否定するために内視鏡検査を行う必要があります。バリウムによるX線検査(食道造影)は軽症例の発見が困難です。内視鏡検査でもほとんど異常がないのに、胃酸の逆流による症状がおきている場合もあり、胃食道逆流症のgrade0として逆流性食道炎と同じ治療を行います。

逆流性食道炎の予防

肥満やお腹を強くしめることは、お腹に圧力がかかり食道裂孔ヘルニアの原因になります。腰痛でバンドをしている人も、動かないときにはゆるめるようにしましょう。胸やけの傾向のある人は、一度に食べ過ぎないこと、特に消化の悪いものや胃に残りやすいもの(油こいもの・いも類など)に気をつけることが大切です。食後すぐに横にならず、食後2時間以上は座ったり立って過ごすこと、寝たあとで症状の強くなる人は上体を高くして休むと良いです。

逆流性食道炎の治療

胃・十二指腸潰瘍で用いる胃酸を抑える薬が有効です。患者さんの中には、酸抑制剤のうち効果の強いプロトンポンプ阻害剤(PPI)やH2ブロッカーを長期間(6ヶ月以上)を用います。酸抑制剤の他に胃食道接合部の緊張や胃の運動を強め、逆流を抑える薬も併用することがあります。胃・十二指腸潰瘍で有効なピロリ菌の除菌療法は、残念ながら逆流性食道炎には無効で、むしろ除菌により悪化した例も報告されています。また、胸焼けなどの症状が無くなり、治ったかなと思い自己判断でお薬の服用をやめてしまうと再発することがあります。お薬の服用については医師とよく相談された方が良いでしょう。現在は上記のような良い薬がありますので、我慢しないで早く治療を開始することが大切です。

永山 憲市

 

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