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麻疹(はしか)は感染した人がせきをした際に飛び散って、空気中を浮遊している小さな水滴を吸いこんだり(空気・飛沫感染)、そのような飛沫で汚染されたものに触れる(接触感染)ことによって感染します。発疹が現れる2ー4日前から発疹が消えるまでの間感染力があります。
予防接種が広く行われる以前は(40年ぐらい前)、はしかは乳幼児から小学生の間で2―3年ごとに流行していましたが、この10年から20年は目立った流行は認められていませんでした。しかし、一昨年からはしかが小学生から大学生の広い年齢層で流行し社会問題ともなりました。
はしかを予防する手立てはワクチン接種しかありません。はしかのワクチンは、小児期に受ける定期予防接種の1つで、月齢12―15カ月の間に初回接種があり、その後2回目として4歳から6歳前後に追加接種があります。はしかに免疫がない子供(と成人)がはしかウイルスにさらされた場合、2日以内に予防接種を受ければ、かからずにすむことがあります。予防接種を受けたことのある女性の子供は、はしかへの免疫を(抗体という形で)受け継ぎます。この免疫は、生後ほぼ1年間は効力があります。しかし、その後は予防接種を受けなければ、はしかにかかりやすくなります。はしかにかかれば免疫ができるので、その後はかかりません(終生免疫)。
はしかは感染してから7―14日の潜伏期間をおいて症状が現れはじめます。感染した子供は、まず高熱、鼻水、のどの痛み、激しい空せき、眼の充血などを訴えます。発症後2―4日後には、口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)ができます。症状が出はじめて3―5日たつと、かゆみを伴う発疹が現れます。この発疹は耳の前部や下部と首の両側に、平らで不規則な形の赤い部分として現れますが、すぐに盛り上がってきます。顔の発疹が薄れていくにつれ、1―2日以内に発疹は胴体、腕、脚に広がります。病気のピーク時には発疹は全身に広がり、体温は約40℃を超えることがあります。しかしその後の3―5日のうちに熱は下がり、残っていた発疹も急速に消えていきます。
健康で栄養状態の良い子供の場合、はしかが重症化することほとんどありませんが、はしかにかかった子供の1000人に1人が脳の感染症(脳炎)を発症します。また肺炎(特に乳児の場合)を併発して問題となることがあります。また、非常にまれながら(100万人に1人か2人の割合)、重篤な合併症である亜急性硬化性全脳炎が、はしかになった後、数カ月から数年後に発症することがあり、脳に障害を残すこともあります。
永山 憲市 |