25 Sep 2003 医療コラム(Dr 大西) その4
インフルエンザについて
 

インフルエンザについて

北半球で気温と湿度の低下する冬季にむけて、SARSの再流行が危惧されています。そういった中で、大きな問題となりえるのがインフルエンザの流行です。普通のかぜの症状は、のどの痛み、鼻汁や咳などが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くないです。インフルエンザの場合は突然の39℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、あわせて咳、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。更に、肺炎、小児では脳炎などを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特徴です。その特徴から初期症状の段階において、インフルエンザは気道感染症の中でもSARSとの鑑別がもっとも困難な疾患と見られています。

抗原性の違いから、インフルエンザウイルスはA、B、C型に分類されます。さらにウイルスの表面の抗原性の違いにより亜型に分類されます。いわゆるA/ソ連型、A/香港型というのは、この亜型のことです。抗原性の変異は絶えず起こっていて、毎年新しい流行株が出来上がります。インフルエンザの発症が防げるかどうかは、それぞれの人のからだがそれぞれのウイルスに対して抗体を持っているかどうかできまります。

インフルエンザは、患者の咳などで空気中に拡散されたウイルスを気道に吸入することによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、人混みは避けましょう。帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。空気が乾燥すると、インフルエンザに罹患しやすくなります。室内では適度な湿度を保ちましょう。日ごろからバランスよく栄養をとることも大切です。疲れや睡眠不足も禁物です。

予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。予防接種を受けないでインフルエンザにかかった人の70−80%の人は、予防接種を受けていれば、インフルエンザにかからずにすむか、かかっても症状が軽くてすむという有効性が証明されています。

インフルエンザか普通のかぜか、症状からある程度の推測はできても、流行時期が重なるので確定するのは困難です。血液検査では診断に時間がかかります。最近では鼻腔や咽頭をぬぐい、40分ほどで結果が出る診断キットがあります。

インフルエンザにかかったら安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。

早めに治療することは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。

インフルエンザウイルス治療薬が現在ではあります。早めに使用することでより良い効果が得られます。なお、いわゆる「かぜ薬」と言われるものは、発熱や鼻汁などの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスに直接効くものではありません。抗生物質も無効です。

乳幼児のインフルエンザの合併症で気を付けなければならないものとして、急性脳症の発症の問題が指摘されています。その徴候として水分をとったあとすぐに吐いてしまい元気がない、意識がはっきりせずうとうとしている、けいれんを起こすなどがあります。この様な症状がみられるときなどにはすぐに医療機関に相談して下さい。

大西 洋一

 

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