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突発性発疹
突発性発疹は、乳児期、とくに6〜18カ月の間に発症することが多く、突然の高熱と解熱前後の発疹を特徴とするウイルス感染症で、予後は一般に良好です。また、生まれて初めての高熱の場合、まず最初に疑う病気の一つです。原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)および7(HHV−7)に対する血液中の抗体検査からは、2〜3歳頃までにほとんどのお子さんが抗体陽性となることがわかっていて、20%前後のお子さんははっきりとした発熱や発疹といった症状が出ない感染(不顕性感染といいます)を起こしていることが知られています。
1910年に本疾患が記載されて以来長い間病原体は不明でしたが、1988年山西(私が卒業した大学院の偉大な先輩のお一人で、今は阪大医学部長)らにより、HHV−6であることが発見されました。その後、1994年に新しく発見されたHHV−7も、その初感染像として突発性発疹を呈することが報告されました。HHV−7による突発性発疹は、臨床的には二度目の突発性発疹として経験されることが多いこともわかっています。HHV−6、HHV−7のいずれも、ヘルペスウイルスの仲間で両ウイルスとも初感染以降は潜伏感染状態となり、断続的に唾液中に排泄されます。現在のところ、感染様式は唾液中に排泄されたウイルスが飛沫感染すると考えられています。初感染時の潜伏期は約10日と推定されています。そして実は突発性発疹という病気はお父さんやお母さんからうつった病気と言っていいのです。
突発性発疹の症状は38度以上の発熱が3日間ほど続いた後、解熱とともに淡紅色〜鮮紅色の斑丘疹が体幹を中心に顔面、四肢に数日間出現する。随伴症状としては、下痢、眼瞼浮腫、大泉門膨隆などがあげられますが、ご機嫌はあまり悪くない例が多いようです。多くは発熱と発疹のみといった感じで経過します。診断については、特徴的な臨床経過、発疹出現によりなされることからあまり困難ではありませんが、ときどきヘルパンギーナと区別がつかない時もあります。永山斑(病初期口蓋垂の根元の両側に認められる粟粒大の紅色隆起;私が発見したものではありません)を見つけることにより、有熱期間中に診断が予測できることもあります。発熱初期に熱性痙攣を合併することもあります。通常は予後良好のため、発熱期間(38、5℃以上)において解熱剤を用いて経過観察します。解熱剤としては副作用が少ないが比較的効果も若干弱めのアセトアミノフェン類が賢明な選択でしょう。熱があるから使用したのに使ったお薬が効きにくいと不安になる親御さんがいらっしゃいますが、患者が乳児であることから強力な解熱剤はお勧めできません。
永山 憲市 |