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そもそも漢方とは、2千年以上以前から発達した中国の伝統医学で、日本には奈良時代の6世紀ごろに伝来しました。漢方は漢方療法、漢方医学に基づき発達してきた長い歴史と伝統をもつ医療です。そして、病気や症状に効く「生薬」を組み合わせ、処方されたものは「漢方薬」と呼ばれます。
漢方薬の多くの場合、長い経験と臨床のもとに処方、配合が決められています。風邪の薬として有名な「葛根湯」は、葛の根を主剤として麻黄、生姜、大棗、桂皮、芍薬、甘草などの生薬を配合して効果を生じます。そして、効果は1つだけではなく風邪以外に、肩こり、上半身の神経痛などにも効果があります。そして現在でも用いられている配合処方は、2千年前に中国の名人が著した「傷寒論」の中のもので、現在も千種類以上も残っています。
西洋薬と漢方
西洋薬の多くは、有効成分が単一で、切れ味が鋭く、即効性があるため、感染症の菌を殺す、熱や痛みをとる、血圧を下げる、といった一つの症状や病気に対する直接的な治療に適しています。
一方、漢方薬は、いくつもの生薬を組み合わせて作られた薬ですので、慢性的な病気や全身的な病気の治療など、複雑・多彩な症状に効果を発揮します。
ゆっくり効く漢方薬?
漢方薬は効果がゆっくり現れるというイメージがありますが、一概にそうとは言えず、即効性のある漢方薬もあります。例えば先ほど述べた「葛根湯」、のどの渇きとむくみがあって、尿が出にくいときに処方される「五苓散」や「柴苓湯」なども即効性があります。体質や症状にあっていれば30分ほどで効いてくることもあります。
ゆっくりと効き目が現れる漢方薬でも、体質や症状にあっていれば、飲み始めて2−4週間ぐらいで症状が少し改善されたり、主症状の症状がとれてきたりするなどの、体に何らかの変化が出てくることが多いです。
空腹時にのむとよい理由
漢方薬の成分の多くは、腸内細菌によって、吸収されやすい効く形に変えられ、効果をあらわします。そのため、空腹時にのむほうが、速やかに腸内細菌のいる場所に到達するわけです。さらに食べ物などの影響、食べ合わせを防ぐためにも、空腹時にのむほうがよいのです。
薬剤師 金子 宏美 |