22 Jan 2004 胃腸疾患 その4
過敏性腸症候群
 

過敏性腸症候群

症状・説明

過敏性腸症候群というのは、主として腸の運動および分泌機能の異常で起こります。レントゲン検査をしても、なにも異常がないのに腹痛と便秘や下痢をしてしまうような状況です。以前は慢性大腸炎によるものと考えられていましたが、実際には大腸には炎症は見られず、大腸の機能の異常によって起こる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていました。しかし最近では、大腸だけではなく小腸も関係するので、過敏性腸症候群といわれています。症状は主に便通異常です。主な病状のパターンとして下痢と便秘を交互に繰り返したりする不安定型、慢性下痢型の2つに分けられます。不安定型は腹痛、腹部の不快な感じがあり、下痢が数日続いたと思うと、今度は便秘が数日間持続するといった状態を繰り返します。この型の便秘は別名「けいれん性便秘」と呼び、おなかが張って苦しく、トイレに行きたいが出ないというようなものです。また、出るときはウサギの糞のようなコロコロした小さな便の出るのが特徴です。慢性下痢型は、ちょっと神経を使ってもすぐトイレに行きたくなり、軟便や水様便になるので神経性下痢とも呼ばれています。このような下痢の場合、排便前には差し込むような腹痛をしばしば伴うのですが、排便後はほとんど痛みが無くなってしまうというような特徴があります。さらに、この下痢は長期間にわたって起こりやすく、重症の例ではいつどこで便意を催すかもわからないので、会社に出勤する途中に何回もトイレに行かなければならないという方もいます。休日など家でのんびりしているときは、排便も正常に戻っていることが多いようです。

原因

腸の運動機能を調節している自律神経に異常があったり、精神的な不安や緊張、興奮、悲しみや怒りなどの感情の起伏や、仕事や対人関係の悩みなどのストレスが引き金となって症状があらわれることも多いようです。また、もともと神経質な性格や自律神経系の不安定な方が、暴飲暴食、アルコール類、冷たいもののとりすぎ、過労、、身体の冷えなどが原因となって症状があらわれることもあります。

対策

精神的なストレスや、食生活の乱れによって起こる場合が多いので、これらを解消することが基本となります。まず精神的に不安定な状態を解消し、ストレスの原因となっているものをはっきりさせて、これを取り除くことが大切です。便意があってもなくても必ず毎朝トイレに行き、便通が習慣になるように気をつけることもいい方法です。暴飲暴食、喫煙、アルコールの飲みすぎを避け、食生活や生活習慣の改善を行うなど、自己管理が予防の上でも治療の上でも重要です。しかし、このような患者様自身の努力でもどうにもならないような時は、お薬を使った治療が必要となります。下痢時の下痢止めを含めた胃腸運動調整薬、便通に対する不安感が強い時には軽い精神安定剤も効果があります。慢性的な下痢や便秘でお悩みの場合は、ご自身で判断されないで医師の診察をお受けいただいたほうがいいでしょう。

永山 憲市

 

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