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予防接種の方法について
予防接種にあたって接種部位や接種方法について質問を受けることがあります。施設によって接種方法が異なり、患者さんが困惑することがあるようです。
一般に日本では厚生労働省の予防接種法実施規則というものがあって、三種混合(二種混合含む)、はしか、風疹、日本脳炎は皮下注射と定められています。このほか水ぼうそう、おたふくかぜ、インフルエンザも一般には皮下注射で行います。ところがアメリカでは通常筋肉注射が行われています。また、薬の添付文書を見ると三種混合(二種混合含む)は筋肉注射、インフルエンザは皮下注射もしくは筋肉注射、その他の予防接種は日本にはないMMR(新三種混合)も含めて皮下注射となっています。
このように、皮下注射、筋肉注射、どちらが正しいというのは一概に言えませんが、皮下注射は血管や神経を傷つけにくいというメリットがあります。一方、筋肉注射は薬液量が大量の場合も接種しやすいというメリットがあります。
最近の注射は皮下注射しやすいように薬液量が0.5ml程度に調整されたものが多く、個人的には日本の厚生労働省の規則にのっとって、これらの注射については皮下注射することをお勧めします。
次にA型肝炎、B型肝炎、破傷風ですが日本では皮下注射もしくは筋肉注射となっていますが、薬の添付文書では日本にはないAB肝炎混合型ワクチンも含めて筋肉注射となっています。肝炎ワクチンについては筋肉注射のほうが皮下注射よりも免疫定着効果が高かったという文献があり、これらのワクチンについては筋肉注射をすべきでしょう。
そして、注射の接種部位ですが、皮下注射に際しては上腕外側部(二の腕の外に向いた部分)が一般に勧められています。筋肉注射については、ローカルのクリニックで太ももに注射をされたがいいのかという質問をよく受けます。注射といえばお尻に行ったという記憶が多くの人にあるためそういった疑問がわくのでしょうが、坐骨神経の障害を避けるために最近では臀部への注射は勧められていません。アメリカの予防接種諮問委員会の勧告の中でも、おおむね3歳未満の子供には大腿前外側部(太ももの前方外に向いた部分)、それ以上では三角筋(肩の部分)に行うよう指導されています。
また、注射の後に揉むことの可否もよく問題になります。これについては賛否が分かれるところです。接種後に揉むと組織の座滅が激しくワクチン液が拡散し、そのため特に三種混合などでは局所反応が強く出るという報告があります。揉んでも揉まなくても効き目自体には差がなかったという報告もあり、副反応を避けるためには揉まないほうがいいようです。
大西 洋一 |