05 Feb 2004 医療コラム(Dr 永山) その7
鳥インフルエンザについて
 

鳥インフルエンザについて

今回は鳥インフルエンザについて、Q&A式に説明いたします。

鳥インフルエンザとは、どのような病気ですか?
トリのウイルスはヒトのインフルエンザウイルスとは異なったウイルスです。鶏、七面鳥、うずら等が感染すると、全身症状をおこし、神経症状(首曲がり)、呼吸器症状(鼻水、呼吸困難等)、消化器症状(下痢、食欲減退等)等が現れ、鳥類が大量に死亡することもまれではありません。

これまでにどのような国で発生していますか?
今回の流行では中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ、インドネシア等アジア各地で発生しています。日本では、1925年以来発生はありませんでしたが、今回山口県で発生しています。

これまでにヒトに感染した例はありますか?
主なものとしては1997年香港で鳥インフルエンザに18名が感染、6名が死亡していますが、ヒトからヒトへの感染はありませんでした。2003年、同じく香港で鳥インフルエンザウイルス感染が2名で確認され、うち1名は死亡していますが、その後の感染の拡大はありませんでした。今回のベトナムとタイではすでに計12人(2月3日現在)の死亡者がでています。

どのようにヒトに感染するのですか?
これまでのところ、香港やベトナムなどのように店頭での生きたニワトリの小売りが一般的な地域において発生した感染例を見るように、トリからヒトへの感染により引き起こされています。、ヒトからヒトへの感染の可能性がベトナムでは疑われていますが、現時点では非常に低いと思われます。またヒトが鳥インフルエンザウイルスの感染を受けるのは、鳥と近距離で接触した場合、鳥の内臓や排泄物に接触するなどした場合が多く、鶏肉や鶏卵からの確実な感染の報告はありません。

ヒトにはどんな症状がでますか?
ベトナム、タイの例では発熱、咳などのヒトの一般的なインフルエンザと同様のものから全身の臓器がやられてしまう多臓器不全のような重症までありました。死亡の主な原因は肺炎でした。

ヒトのインフルエンザワクチンは鳥インフルエンザに対して有効ですか?
現在使用されているヒトのインフルエンザワクチンはヒトの間で流行しているインフルエンザウイルスだけに効果があり、鳥インフルエンザに対しては効果がありません。現在研究、開発が行われています。完成までには少なくとも6ヶ月以上かかるといわれています。

ヒトではどのような予防方法をすればいいのでしょうか?
鶏に問題のないシンガポールや特定の地域の鶏においてしか感染が生じていない日本での通常の生活の中で、鳥インフルエンザウイルスに関する特別な予防を行う必要はありません。

鳥インフルエンザにヒトが感染した場合、どのような診断方法と治療方法がありますか?
鳥インフルエンザはヒトで流行しているインフルエンザウイルスとは異なっているのですが、大きな分類ではA型インフルエンザウイルスに属するものですので、ヒトのA型インフルエンザウイルスの診断に使う検査方法を使って鳥インフルエンザウイルスを検出することは可能です。また、ヒトのインフルエンザの治療に用いられている抗インフルエンザウイルス薬も、鳥インフルエンザに効果があります。

ベトナムなどの鳥インフルエンザ流行地域への海外旅行は大丈夫ですか?
鳥インフルエンザウイルスの発生を理由にその土地への旅行や移動の自粛、中止などの必要はありませんが、不用意、無警戒に流行地の生きた鳥類への接触などは行わない方がよいでしょう。また、乳幼児を連れてのご旅行は不測の事態もありえるので注意が必要でしょう。

永山 憲市

 

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