26 Feb 2004 感染症 その5
咽頭結膜熱
 

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、結膜炎症状を主とするアデノウイルスによる小児の急性ウイルス性感染症です。季節的に地域で流行することがあり、また小さなアウトブレイクが起こることもあります。プールでの感染が多く見られることからプール熱とも呼ばれています。

感染様式
咽頭結膜熱は日本では夏に流行し、6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月にピークを形成すします。常夏のシンガポールでは年中はやってもおかしくありません。実際のところ、この病気の患者さんを毎日のように診察しているような気がします。幼稚園児や小学生の年齢のお子さんが主にかかるといわれていますが、実際は、5歳以下が約6割を占めています。乳幼児のかぜの10%前後がアデノウイルス感染症と言われ、アデノウイルスは小児で重要な病原体です。
感染経路は、プールを介した場合には、汚染した水からウイルスの結膜への直接侵入と考えられます。さらに、プールでのアウトブレイクの調査結果からは、タオルを共用したことが感染のリスクを高めたとの報告もあります。しかし、そのほとんどは他のカゼと同じく飛沫感染、接触感染でうつっているようです。

症状
38.5℃以上の発熱で発症し、頭痛、関節痛、のどの痛み、のどの粘膜の腫れと発赤、結膜充血、目やにを訴え、症状は5日間程度持続します。このような症状の中で、のどの粘膜の状況が特徴的です。真っ赤にはれたのどに白い苔のようなものがはりついていたら、この病気を疑わなければなりません。潜伏期は5〜7日とされています。さらに、炎症反応が強いため、二次的に細菌による副鼻腔炎や中耳炎を起こしやすいのも特徴です。アデノウイルスはインフルエンザウイルスの次に引き起こす炎症の度合いが強いと考えられ、全身倦怠感等を強く訴えます。

治療・予防
予防接種はありません。特別な治療法もなく、解熱鎮痛剤を含めたお薬による対症療法が中心となりますが、先程述べました二次感染予防を目的として抗生物質を服用することもあります。また結膜炎に対しては目薬等が必要になることもあります。
予防としてはうがいや石鹸による手洗い、プールを介しての流行に対しては、水泳後に目を洗うことが大切ですが、ときにはプールを一時的に閉鎖することもありえます。

永山 憲市

 

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