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コレステロール(その1)
シンガポールに赴任して、食生活がかわったり、日本からの来客時など、おいしい料理を食べる機会も増え、その結果コレステロールが年々増加傾向にある人も多いことでしょう。
<総コレステロール>
1.基礎知識
*コレステロールは、細胞の膜を構成したり、腸内での脂肪の消化に役立つ胆汁酸やホルモンの一種でもあるステロイドホルモンの原料となる、体にとって必要な物質です。
*しかし、余分にとると動脈壁の中に沈着して動脈硬化を起こします。とくに心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生率は、血清中のコレステロール量と相関します。
*高コレステロール血症の原因は次のものがあります。
原発性高脂血症:遺伝や家族性に多く見られるもので、体質や生まれつきの異常が原因のものです。
二次性高脂血症:生活習慣や他の病気による高コレステロール血症です。脂肪のとり過ぎ、内分泌の病気(甲状腺機能低下症など)、糖尿病、肝臓の病気、ネフローゼなどが原因になります。
<HDLコレステロール>
1.基礎知識
*血液中のコレステロールなどの脂肪は、蛋白質と結合して存在しており、これをリポ蛋白とよんでいます。蛋白質分の多さによって、いくつかのリポ蛋白に分けられますが、その中で高比重リポ蛋白(high−density lipoprotein:HDL)とよばれる分画中のコレステロール量をHDLコレステロールといいます。
*HDLコレステロールは、動脈壁に沈着したコレステロールを再び血液中に洗い出す作用があり、そのためHDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。
*ただし、あまり高すぎても、逆効果となります。
*HDLコレステロールが低いと動脈壁へのコレステロール沈着は増えることになり、動脈硬化を促進します。
*HDLコレステロールを低くするものには、次のものがあります。
喫煙、降圧剤、糖尿病の薬、男性ホルモン
<LDLコレステロール>
1.基礎知識
*リポ蛋白のひとつに低比重リポ蛋白(low−density lipoprotein:LDL)があります。
*このLDLは、リポ蛋白の中でも最終的に細胞などにとりこまれやすい脂肪の形です。したがって、このLDLの量が多いと、動脈硬化を起こしやすいことから、LDLコレステロールは悪玉とよばれています。
*LDLコレステロールが10mg/dl増加すると、心筋梗塞の発生が10〜15%増加します。
<高脂血症の診断基準>
総コレステロール 220mg/dl以上 高コレステロール血症
LDLコレステロール 140mg/dl以上 高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
高脂血症診療ガイドライン 日本動脈硬化学会 2002年
補足 HDLコレステロール100mg/dl以上は高HDLコレステロール血症とします。
健診結果はきちんと健康増進に生かしましょう。ガイドラインに基づいた正しい治療を受けましょう。
(その2に続く。)
大西 洋一 |