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乳幼児嘔吐下痢症
乳幼児嘔吐下痢症は日本では冬に乳幼児のお子様がよくかかる病気です。シンガポールではこんなに暑いのに日本と同じくこの病気がはやることがあります。特に雨が良く降る季節(雨期など)に患者さんが多いようです。
主に、ロタウイルスやアデノウイルスなどによってうつる病気ですが、シンガポールのような熱帯地域の場合では、細菌による食中毒の例も多いため便の検査を必ず行う必要があります。突然吐き始め、続いて下痢(クリーム色〜白色が典型的ですが、黄色もあれば緑色もあります)になります。熱が38℃前後出ることもありますが、1週間くらいでよくなります。
<治療>
薬も処方しますが、強い下痢止めや抗生物質は不要です。吐き気を抑えるお薬や弱めの下痢止めが適しています。吐き続けるときや脱水が強いときは、点滴や入院が必要になりますが、そのような例はそれほど多くはありません。
まず大切なことは家庭での食事療法です。嘔吐や下痢をしている場合、水・麦茶・お茶・イオン飲料を一回量として乳幼児は30〜40ml、小学生は40〜70ml、中学生以上は50〜100mlで30分〜1時間くらい間隔をあけ、吐かないようなら2〜3回繰り返してみましょう。数回水分をとっても吐かないことが確認されたら、欲しがれば少し食べさせてみます。お粥・うどんなどの炭水化物主体が良いようです。
食べないほうがよいものとしては、消化吸収に時間がかかり胃腸に負担になるような食べ物、例えば油、脂肪分を含んだもの(シチュー、ラーメン、バター、チーズなど)、卵製品(プリン、カステラ、卵焼きなど)、たんぱく質の多い食べ物・飲み物(肉類、牛乳など)、さらに胃酸分泌を高め、吐き気を引き起こしやすい、酸っぱい食べ物・飲み物(ヨーグルト、乳酸菌飲料、オレンジジュース、かんきつ類の果物など)、辛い食べ物(あまりお子さんは食べないですね)です。
さらに予防法としては石鹸でしっかり手を洗っていただきたいと思います。特に、嘔吐物や下痢便の処理をされた後はウイルスが手に飛び散っている可能性があるため、普通の石鹸で結構ですから2回洗いをやることが重要です。
<病状の経過>
全体像として経過の良い病気ですが、以下のような症状がある場合は早めに診察をお受けいただきたいと思います。
・1日以上吐き続けるとき
・元気がなく、顔色が悪いとき
・唇・舌が乾いて、おしっこが少ないとき
永山 憲市 |