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小児の誤飲(たばこ)
小児は見つけたものを何でも口にもっていく傾向にあります。大人がちょっと目を話したすきに、小さなおもちゃや生活用品を食べようとしているのを発見した経験はみなさんあるのではないでしょうか。
小児の誤飲事故の原因製品としては、一番多いのはタバコ、続いて医薬品、化粧品、洗剤、殺虫剤の順となっています。誤飲しやすいものは年齢によって異なっています。今回はタバコにしぼってお話したいと思います。
たばこ誤飲の現状
たばこの誤飲は、生後6か月からの1年間に発生時期が集中しており、70%は0歳児が占めます。
日本中毒情報センターへのたばこの誤飲の問い合わせは年間に6千件前後、これは総相談件数の16〜17%に相当します。このデータは10年間ほとんど変わっていないようです。
事故の状況
たばこが置かれていたのは、床から50cm以下の場所が8割を占めており、大人がテレビを見ていた、電話中、台所仕事、洗濯、掃除など、目を離した隙に起こっているようです。
たばこの中毒量と症状
市販の紙巻たばこ1本中には16〜24mgのニコチンが含まれています。計算上、ニコチンの急性致死量は成人で紙巻たばこ2〜3本、幼児で2分の1〜1本ということになりますが、たばこからニコチンが溶け出すには時間がかかる、胃の中ではほとんど吸収されない、吸収されてもニコチンの催吐作用により吐き出してしまうため、重篤な症状を呈することはまれです。しかし、たばこが浸かっていた液体を飲んだ場合は速やかに吸収され、重篤な中毒症状を示します。
たばこ誤飲の中毒症状の出現頻度は14%程度とされ、誤飲してから10〜60分以内にみられます。
たばこ誤飲の処置
気づいた時点ですぐ吐かせることが原則です。たばこの誤飲量が2cm以下の場合には特に処置を必要とせず、4時間観察して症状が出現しなければ問題ありません。何らかの症状がみられたり、たばこを2cm以上、あるいはたばこが溶け出た水を飲んだ場合は医療機関を受診する必要があります。
たばこの誤飲防止
たばこの害については皆さんよくご存じと思います。たばこの誤飲防止の一番いい方法は、乳幼児の環境からたばこを一切なくすことです。生後6ヶ月から1年間に事故が集中していることから、この1年間にタバコの管理に特段の注意を払うだけでも相当の被害の軽減がはかれるはずです。
また、たばこを床から1m以下の場所に置かないこと、ジュースの缶などを灰皿代わりに使ったりしないことを乳幼児の同居者、特に喫煙する人に積極的に知らせる必要があります。
小児の誤飲は身の回りの人が注意していれば避けることのできる事故です。分別のつかない小さな子供たちには全く責任がなく、この疾患の発生はほとんどが保護者の不注意によるものといって過言ではないでしょう。
大西 洋一 |