22 May 2003 健康診断結果の見方 その2
高血圧
 

高血圧

1.何がわかるか  基礎知識
*血圧は、動脈の中を血液が通るときの圧力です。収縮期血圧は、心臓が収縮し、血液を送り出したときの圧力で、拡張期圧力は、心臓が血液を送り出すのを止め、静脈から血液を心臓の中に入れている時の圧力です。

*血圧が高いと血管の内壁に傷がつき、動脈硬化のもととなり、やがて脳卒中、虚血性心疾患、腎臓病などを引き起こします。また、心臓は余分の力を出す必要があるため、肥大していきます。

*高血圧の治療には、これらの病気が発生する危険性を軽くすることを目的に行います。

*高血圧の場合、大部分(90〜95%)が原因不明の本態性高血圧ですが、一部に他の病気による二次性高血圧があります。

*収縮期血圧が100mmHg以下の場合を低血圧とします。種々の病気による場合と、体質的なものがあり、大部分が後者です。

*血圧は、体内外の環境の変化や肉体的精神的活動に応じて変動します。また一般に日中に高く、夜間に低くなります。したがって一度の測定では判定できません。血圧に影響の少ない安静時に何度か測定して判断しましょう。

<高血圧の診断基準> (収縮期血圧と拡張期血圧mmHg)

至適血圧 120未満かつ80未満

正常域  140未満かつ90未満

中等症以上の高血圧 160以上または100以上

日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン 2000年版

2.異常値  疑われる病気や異常
*血圧が高い場合
高血圧:肥満、腎臓や内分泌の病気、高脂血症、多血症、動脈硬化
・その他高血圧を症状とする病気が多数あり。 

*血圧が低い場合
・病気としては
心不全、大出血、著しい貧血などが考えられます。しかし、ほとんどの場合病気ではありません。

 

3.どうすればよいか  日常生活上の注意
高血圧の人
必ず主治医の管理を受け、定期的に血圧測定や、臓器障害の有無の検査を受けてください。 

*食事療法
・食塩は1日6〜8g以下としましょう。 だしで味を出し、香辛料や酢、レモンを使う。
減塩しょうゆや減塩みそを使う。
・漬物は浅漬けとし、しょうゆはかけるよりもつける。
・加工・インスタント食品や外食は避け、また汁は残す。
・佃煮などは避ける。 
脂肪は、肥満とともに、高血圧による動脈硬化を促進します。血清コレステロール値が高い場合、動物性脂肪を減らし、魚の脂をとります。肥満も改善しましょう。 
適度のアルコール(日本酒で1日1合、週1〜2日の休肝日)であれば、血圧に悪影響はありません。飲みすぎは厳禁です。 またつまみで塩分の摂取が増えたりしないよう気をつけましょう。
カリウムは、高血圧の原因となるナトリウムと交換されますので、多く含む野菜やバナナなどをとりましょう。
・水溶性の食物繊維は腸内でナトリウムの吸収を阻害します。野菜、海草などの食物繊維含有量の多い食品を積極的にとりましょう。

*運動療法 
運動の目安は、早足での歩行1日30分を毎日続けます。

*生活療法
ストレスを少なくする工夫をしましょう。ゆとりある心構えと生活態度、余暇を上手に過ごす、趣味を持つ、適切な睡眠やぬるめのお風呂(40℃前後)。また、禁煙を心がけましょう。冷房による冷えすぎにも注意しましょう。

*薬物療法
・高血圧
根本から治療するわけでなく、長期にわたり服用が必要になります。
・内服薬にはその作用機序の違いからいくつかに分類されます。利尿薬、β遮断薬は心血管疾患合併症の罹患率や死亡率を低下させることが証明されています。一方、Ca拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII(AII)受容体拮抗薬、β遮断薬、α遮断薬などについても、合併症罹患率、死亡率に関する長期的な成績が出始めています。各薬剤には、高血圧患者の個々の条件によって、積極的適応や避けるべき禁忌が存在しますので、医師の診断のもと、正しい薬を内服しましょう。
副作用に注意するためにも、定期的な受診と検査を心がけましょう。

低血圧の人
    二次性の低血圧では、元の病気を治療しましょう。

体質性低血圧の人は、自覚症状(めまいなど)が強くなければ、生活療法で十分です。睡眠を十分にとり(7〜8時間)、適度な運動をし、朝、床の中で体を動かすなどして、無理をしないで自分の体に合わせて生活するように心がけましょう

健診結果はきちんと健康増進に生かしましょう。ガイドラインに基づいた正しい治療を受けましょう。

大西 洋一

 

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