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風疹予防接種
風疹は幼児、学童を中心として、発熱、皮疹、リンパ節腫脹をみる通常は軽症の感染症です。しかしながら妊娠早期に罹患すると、先天性風疹症候群と呼ばれる先天異常児を出産する危険性があります。そのため当初日本では英国方式を取り入れ、思春期女子に予防接種が行われるようになりました。これに対して米国では流行そのものを押さえようという観点からはじめから小児期の予防接種が行われています。結果的にイギリスでは1989年に従来の方法では先天性風疹症候群の発生を抑えきれないと判断し、MMR2回法に切り替えています。日本では1994年から定期接種を1〜3歳および中学生に行うように切り替えました。しかしながら中学生での接種率はきわめて低く、思春期女子に予防接種を行っていた時期より、この年齢層の抗体保有率は低下しています。また、日本ではMMRを使用していないため1〜3歳での抗体保有率も満足のいくものではありません。今後の制度の改善が望まれるところです。
接種方法は0.5mlを皮下注射します。標準として1〜3歳時および12〜15歳時に行うことになっています。また、妊婦のいる家庭の子供に接種することは問題がなく、むしろ子供が家庭内に風疹を持ち込まないように、接種が勧められます。抗体のない成人が予防接種を行うこともありますが、成人女子が接種をうける場合には、妊娠していない事が絶対条件になります。また、接種後2ヶ月間(米国では3ヶ月)は確実に避妊する必要があります。接種後2ヶ月して抗体検査を行い、免疫ができたのを確認して避妊を解除する方法がいいでしょう。
副反応としては発熱、局所反応、発疹などがみられる事があります。ほかにまれですがリンパ節が腫れたり、関節痛が出現したという報告もあります。いずれの場合も後遺症を残すことはありません。
Q:予防接種後に妊娠が発覚した場合はどうなるのでしょうか。
A:予防接種によって胎児に先天性異常を引き起こす可能性は明確ではありません。米国の調査ではこういった出生児の1〜2%は風疹抗体陽性で生まれてくる事がわかっていますが追跡調査で異常が見出されたことはありません。よって、予防接種による先天風疹での異常の発生頻度は極めて低いものと考えられますが、可能性はゼロとはいえません。
大西 洋一 |