09 Sep 2004 保健便り その8
アルコールについて(その2)
 

アルコールについて(その2)

<個人差について>
少量のアルコールでも顔が赤くなり、動悸や頭痛がする人がいます。このような人では、アセトアルデヒド(アルコールの第一の代謝産物で毒性があり、二日酔いや悪酔いの原因となる物質:前回の保健便りを参照ください)を酢酸(アルコールの第二の代謝産物で、毒性のないもの)に速やかに分解する酵素のはたらきが、生まれつき低いのです(つまり“アルコールに強い、弱い”というのは、生まれつきということです)。ですので、自分の飲める量をよく知り、また他人には無理強いしないことが重要です。なお日本人の約40%はアセトアルデヒドを分解する酵素が欠乏していると言われています。

<おつまみの話>
血液中のアルコール濃度の上がり方は、飲む速さ、一緒にとる食事の量や種類などによって違ってきます。胃が空っぽの状態でウイスキーなどのストレートなどを一度に多量に飲むと、血液中のアルコール濃度は急激に高くなり、酔いも早くまわります。栄養のバランスの面と胃壁の保護の面から考えて、油分が少なく蛋白質を多く含んだものなどを食べながらの飲酒をお勧めします。

<アルコールの種類と飲酒量とタバコの話>
強いアルコール飲料は、口腔がん、食道がんのリスクファクターをして知られています。日本酒、ワインよりも濃いアルコール飲料は、水割りやお湯割りにして、薄めて飲みましょう。“お酒にタバコはつき物”という方が多いのですが、アルコールはタバコに含まれている発がん物質を効率的に溶かして体内への吸収を促す働きがあり、喫煙者の発がん率を高めています。また1日のアルコール摂取量は、日本酒で1〜2合、ビールで大瓶1〜2本、ウイスキーダブルで1〜2杯以内で、最低週に2日は休肝日を設けるべきだと言われています。

<薬とアルコールの話>
薬をアルコールと一緒に服用すると、肝臓はアルコールの分解を優先するため、薬の作用が長引いたり、作用を強めたりすることがあるので、危険です。特に睡眠薬、精神安定剤、血圧降下剤、糖尿病の薬などは、その作用を強めて重大な副作用を引き起こすこともあるので、厳禁です。

<二日酔い・悪酔いの話>
二日酔い・悪酔いとは、飲み過ぎた翌朝の頭痛・胸やけなどの不快な症状を指します。二日酔いは、お酒の種類を問わず、アルコール量(純アルコール量)の取り過ぎによって起こります。
よく二日酔いの予防策について質問を受けますが、その答えは一言で言えば「飲み過ぎない」ことです。夜11時を過ぎたら、強いお酒を避け、ウイスキーなどは水割りにしましょう。いろいろなお酒を代わる代わる飲む「ちゃんぽん」も、ペースを失い、飲み過ぎになりやすいので控えた方が賢明です。また、空腹では多めに飲んでしまうばかりか、アルコールが吸収される速度も速く、悪酔いの原因ともなります。
一般に高齢になるほど、アルコールの代謝機能が低下し、酒量も減少します。しかし、中には代謝機能が減少したことに気づかず、若い時からの酒量を続けている人がいますが、この状態を続けていると臓器に障害を起こしやすくなります。年齢相応の「適量」を心がけることが、お酒の良さを引き出し、長く付き合うコツです。
運悪く(?)二日酔いになったら、飲んだアルコールが分解されるまでは時間がかかるので、たっぷり睡眠をとるようにしましょう。また、アセトアルデヒドの分解に役立つ糖分やビタミンCを含んだ果物を摂ったり、血液中のアセトアルデヒドを早く排泄するために水分を多く摂ることがお勧めです。なお、「迎え酒」はアルコールによる一時的なごまかしにすぎず、結局のところは二日酔いが三日酔いになるにすぎません。

看護師 丸元 真弓

 

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