13 Jan 2005 胃腸疾患 その10
大腸憩室症
 

大腸憩室症

医学用語にしては珍しく粋な”いこいの部屋”を意味する憩室(けいしつ)という疾患があります。憩室というのは消化管の壁の一部が外側に飛び出した状態でて嚢(のう)状となったものです。十二指腸や食道にも見られますが、最も多いのは大腸で、今回はこの大腸憩室症についてお話しします。

大腸の注腸検査(バリウムをお尻の穴から入れる検査)や大腸ファイバー検査などをすると約10%の比率で発見されます。また、年齢とともに見つかる頻度が増えます。一般的には便秘などが原因といわれていますが、生まれつき大腸の壁が弱く憩室ができやすい方もいるようです。わが国では上行結腸、盲腸に多い右側大腸型で、欧米に比べ多発例は少ないようです。ところが、加齢とともに左側型、多発型が増加する傾向にあり、この憩室が無数にある人も散見されるようになりました。

大腸憩室症は一般的には無症状で、検査で見つかっても普通は放置することがほとんどなのですが、憩室に便秘のため便が入り込み細菌感染が生じると炎症を起こし憩室炎となるのです。炎症が進行すれば、強い腹痛と下血(便に血が混じる)が出現し、右側憩室炎の場合は急性虫垂炎に症状がよく似ています。このため、虫垂炎の診断で手術することもあります。一方、左側憩室炎は進行すると痩孔(ろうこう)や狭窄(きょうさく)、穿孔(せんこう)を起こしやすく、手術を必要とすることがあります。治療は基本的には絶飲食+抗生物質の点滴で、内科的な治療でうまくいくわけですが、穿孔、瘻孔形成、狭窄を起こし腹膜炎となった場合や憩室の粘膜からの出血量が多いような場合は外科的治療(手術)が必要となります。

予防法としては、便秘を防ぐため食物繊維成分を多く含んだ食品の摂取や規則的な排便習慣が必要です。さらに、健康診断等で大腸がん検診もかねて大腸ファイバー検査を行い、憩室の有無を知っておくことは重要なことです。

永山 憲市

 

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