27 Jan 2005 医療コラム(Dr 永山) その13
心身症(3)
 

心身症(3)

今回も引き続き心身症について考えてみたいと思います。

少しお話がくどくなりますが「バスや電車(MRT)に乗れない」「会社に行けない」「朝になるとお腹が痛くなる」などの訴えは、「ノイローゼなんじゃないの?」「会社に行きたくないからだ」「わがままだから」「贅沢だから」「気のせいだ」と周囲から軽視してみられ、特に家族や恋人から仮病扱いされてつらい悲しい思いをすると言うケースをよく目の当たりにします。患者さんの気持ちになってみると、医者からは精神疾患だと言われる恐怖を一人で感じているのと同時に、周囲から「わがまま病だ」「普段の行いが悪い」「心がけが悪いからだ」「そうやってさぼっているんだろう」「なんでも病気のせいにすればいいと思って」などとひどいことを言われて傷つき症状がますます悪くなるのです。

家族や会社で真剣にとりあってもらえずに誤解が生じ、一人で我慢しているケースも少なくありません。これらの事は世間一般の理解が足りないばかりでなく、必要な心身両面からの治療を本人や周囲が拒否することにつながってしまうのです。そのため、早く治療すれば治るものも、一生「性格」扱いされて、治療することなく終わってしまうことがあるのは残念でなりません。

内科は敷居が低いので受診しやすく、家族も内科なら一緒に行くという場合も多いです。治療をうけるきっかけとしては問題ないのですが、内科的な問題が否定された時は、心療内科あるいは精神神経科への受診が非常に重要なのです。今日では、身体に出てくる症状やストレスに対して精神療法が広く行われそれによって治っていく道が開けているのです。心身医学が扱う範囲は広く、次のようなものが挙げられます。

#心臓神経症:心臓が痛い、心臓が苦しいという事を繰り返し、そのたびに心筋梗塞ではないか、死んでしまうのではないかという恐怖が伴う。

#胃神経症:胃癌なのではないか、何か悪いポリープができているのではないかという恐怖で年に何回も胃カメラを飲む。

#過喚気症候群:空気が吸えないような感じになり呼吸が浅く早くなり、手足が冷たくしびれてきて強い不安が伴う。パニック発作にはこの症状が必ず出ると言っても過言ではありません。

#ヒステリー発作:精神的に欲求を満たされないという心の葛藤と混乱が、形を変えて身体症状に出てくる。急に倒れたり、手足が動かなくなったり、痙攣をおこす、声が出なくなる、身体の一部がピクピクする、歩けなくなる、身体の一部が固まる、などの多彩な症状が出現してきます。

永山 憲市

 

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