17 Mar 2005 医療コラム(Dr 大西) その14
授乳時の注意
 

授乳時の注意

授乳中のお母さんが乳児を連れて来院しました。お話を聞くとどうもお子さんの便がいつもゆるいとの事、確かに母乳で育てると便はゆるくなりますが、さすがにいつも水様便というのはおかしいということで相談に訪れたようです。

おなかを調べてみると、聴診上胃腸がゴロゴロとよく動いている。便がゆるい原因は胃腸の動きすぎによるもののようですが、その理由がわかりません。他にこれといった症状もなくミルクの飲み具合もいいので、感染をおこしているようではないし、まだ離乳食も始める前で母乳以外は何も取っていません。母乳やミルクに含まれる乳糖を分解する酵素がない乳糖不耐症という疾患かとも考えましたが、その場合は頻回の嘔吐が見られるはずですがそれもなく、そもそも授乳当初はなんでもなかったというのです。

いろいろとお話をしているうちにお母さんが薬を服用している事がわかりました。母乳の出が悪いという事で産婦人科の医師に相談したところ、母乳の出をよくする薬をもらったとのことでした。これはプリンペランという薬で本来は胃腸機能改善や吐き気止めに使います。服用すると胃腸の動きが促進されます。また、副反応として、乳汁分泌ホルモン分泌促進作用があります。その作用を利用して母乳を出したようですが、おそらくは薬が母乳中より乳児に移行し、結果的に乳児の胃腸の動きが強くなり下痢を引き起こしたようです。お母さんが薬をやめたところ乳児の下痢もおさまりました。

また、別の乳児のお話ですがやはり下痢が続き、お母さんとよくよく考えてみると、お母さんが飲んでいた「便通をよくしてダイエットに効くお茶」が原因ではということなになりました。お茶をやめたあと下痢は治りました。

このように授乳中のお母さんが服用する薬や時には食品で、思わぬ影響が乳児に出現する事があります。授乳中には薬や食べ物に注意しましょう。

大西 洋一

 

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