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歯を削るときの音

歯が少し痛いから歯医者に行かなければと思うものの、歯を削る音が怖くて足が遠のいてしまい、痛みを我慢して何となく日々をやり過ごしている方は少なくないかもしれません。意を決して歯医者に出かけても、待合室であの嫌な音を聞いただけで音と痛みが頭の中で結びつき、鳥肌が立つ方もいらっしゃるかと思います。治療を受けている時にしても、口の中でどんな治療が行われているのか、音は聞こえるが直接目で見ることが出来ないので不安が増すのもうなずけます。

歯科医が歯を削る時には通常2種類の機械を用途によって使い分けています。キューンという甲高い音は出るが歯への振動の比較的少ないエアタービンと、もう一つは音はあまり出ないがゴトゴトした振動が歯に伝わりやすいマイクロモーターと呼ばれるものです。両者の違いは機械の一分当たりの回転数の違いです。機械の仕組み上、両者ともに音や振動を完全になくすことは現状では難しいです。

治療時に麻酔をしている場合は、痛みは感じないはずですが、あの甲高い音を耳元で聞かされると、痛みや恐怖の記憶を思い出して気分が沈んでしまうケースも多いと思います。根本的な解決方法ではないですが、例えば耳栓をしたり、BGMに注意を振り向けて歯の治療のことを考えないようにするのがよいという考え方もあります。

また、派手な音をたてて長時間口の中で機械を動かし続けたので、さぞ大量に歯を削ったのだろうと心配される方もいますが、歯は簡単に削れてしまうほど柔らかくはありません。と同時に近年の歯科医療の基本コンセプトは歯を無駄に削りすぎないということにありますので、予防的に余分に歯を削るといったことも行われなくなってきています。

むし歯にならないように予防することはもちろん重要ですが、むし歯になったとしても早期に発見できれば被害も少なく済みますので、早め早めの口腔内点検に歯医者へ足を運んでみてください。

歯科医師 畑 茂