医師コラム

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五十肩

「肩関節周囲炎」というちゃんとした(?)名称はついているものの、なじみがあるのは「四十肩」「五十肩」という名前のほうでしょうか。四十肩と五十肩は別々の病気だと思っている方がたまにいますが、同じ病気のことを指します。肩関節のエイジングで、早いと30代からみられ、多くは中年以降にみられます。

肩関節を作っている腱や靭帯などが老朽化して、肩関節の周囲の組織に炎症が起きることが主な原因とされていますが、滑液包(肩関節の動きを良くする袋)や関節包が癒着すると更に動きが悪くなり、そうなると「凍結肩」とまた病名が変わったりもし、洗髪や髪をとかす操作、服の脱ぎ着や体を洗う動作がやりにくくなってきます。ここまでくると日常生活にかなり支障が出るので、ここでようやっと外来を受診される方も多いです。男性なら「ズボンの後ろポケットに入れた物が取りにくい」「車を運転するとき、シートベルトがしにくくなった」、女性は「ブラのホックが留めにくい」「キッチン棚の上の物などが取りにくい」が主訴として多く、主訴に性差が出るのが医療者として興味深いところではあります。

五十肩は自然に治ることも往々にしてありますが、急性期ならまず安静にして内服治療や関節注射などを行います。かなり動きが悪くなってきているような場合には、運動療法を行いゆっくり治療していきます。手術まで行う方は稀です。動きが悪くなってきた場合、どこまで運動療法を行うかは個人個人のお話を聞きながら決めています。趣味のスポーツに早く復帰したいという方や、職業上で肩をフル稼働させないといけない方(左官屋さんやペンキ塗りなど職人さん)は、がっちり運動療法をしてもらっています。

医師 長谷川典子