医師コラム

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爪周囲炎

爪の周囲はいつも外傷などの危険にさらされています。外来でよく見かける疾患に「爪周囲炎」がありますが、これは爪の周囲がささくれや深爪などで傷ついたときに生じる爪の周囲の炎症です。陥入爪やマニキュア、爪を噛むくせが原因となることもありますが、傷ついたところからばい菌が入り、爪の周囲が赤く腫れたり、痛んだり、進行すると膿がたまって黄色くなるなどの炎症を起こします。爪の下に膿がたまることもあります。

いったん炎症を起こしてしまうととても痛く、ずきずきする痛みで眠れないこともあります。さらに進行して指先の腹側が化膿したものは、「ひょう疽」と呼ばれます。

爪の周囲が赤く腫れているだけの初期の段階であれば、抗生物質の軟膏はあまり効果的ではないので、抗生物質の飲み薬を飲んで治療します。この段階であっても、爪の近くには既にばい菌が入りこんでいるため、放っておかずなるべく早めに病院に行くようにしましょう。

更に進行すると、爪の周囲やときには爪の下にまで膿がたまってきます。ここまでくると、切開したり、麻酔をして爪を切除して膿を出す処置が必要になります。爪が食い込んでいるような場合には、食い込んでいる爪の一部を部分切除し、洗浄して抗生物質の軟膏を塗ります。このような処置で炎症が軽快すれば約1週間ほどで治りますが、爪がもとの通りに伸びるのには3ヶ月以上かかります。

もともとの爪の形に問題がある場合は炎症を繰り返すこともあるのですが、爪の形が正常ならば、予防するには、深爪をしない・ささくれを剥かない・子供の場合は爪を噛むくせを直すなどに気をつけましょう。

医師 長谷川 典子