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性感染症(STD)5 尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマ(Condyloma acuminatum)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11型などが原因となるウイルス性性感染症で、生殖器とその周辺に発症します。日常の診療でもたびたび見かけ、ひどい場合は完治まで半年近く要する場合があります。性交またはその類似行為によって感染する性感染症で、世界中に分布しています。患者さんの大部分は性活動の活発な年代にみられ、小児の感染は稀です。1999年4月以降、他の性感染症と同様増加傾向を示しており、徐々に女性の占める割合が高くなってきていると報告されています。

外陰部腫瘤の触知、違和感、帯下の増量、掻痒感、疼痛が初発症状となることが多く、表面が刺々しく角化した隆起性病変が特徴で、淡紅色〜褐色の乳頭状、鶏冠状、あるいはカリフラワー状と表現される疣贅(いぼ)ができます。好発部位は、男性では陰茎の亀頭部、冠状溝、包皮内外板、陰嚢で、女性では腟、腟前庭、大小陰唇、子宮口、また男女とも、肛門及び周辺部、尿道口です。
20〜30%は3カ月以内に自然消退する良性病変ではありますが、HPVの型によっては悪性化にも注意しながら経過観察することが必要です。

診断は典型的な尖圭コンジローマは乳頭状、鶏冠状の特徴的な形態を持つため、外来診療での視診で十分診断がつきます。
外科的治療には、切除、CO2レーザー蒸散法、電気メスによる焼灼法や液体窒素による凍結法がありますが当クリニックでは主に外科的切除か液体窒素での治療を行います。
また薬物療法としては5―フルオロウラシル軟膏、ブレオマイシン軟膏などを塗布する方法があり、当クリニックでも処方可能です。
通常、HPVの感染から尖圭コンジロームの発症には数週間から3カ月程度かかるといわれているので、治療終了後も最低3カ月は厳重な経過観察をして、再発の早期発見に努めることが必要です。本人が治癒しても、パートナーがHPVを保持しているかぎり再感染の可能性があるので、パートナーも必ず専門医を受診し、症状があれば治療をすることが重要です。また、垂直感染を予防するために、妊婦で発症した場合には分娩までに治療を終了する必要があります。
HPVは皮膚や粘膜の微小な傷から侵入、感染するため、感染予防にはコンドームの使用が効果的ですが、外陰部にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがある場合は特に感染しやすいので注意が必要です。
性器に何かできものができた!と感じたら早めに産婦人科を受診しましょう。

また、子宮頸がんの予防ワクチン(HPVワクチン)の対象にはこの尖圭コンジローマの主な原因となる6、11型も含まれています。STDの中で唯一ワクチンで予防できる感染症ですので併せてご検討ください。

医師 長谷川 裕美子