医師コラム

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不妊ドック3

前回は不妊ドック2として排卵期にできる検査についてお話しました。今回は排卵後にできる検査についてです。

さて、排卵が終わると通常基礎体温が上がり高温期に入ります。これは排卵した卵胞(卵子が入っていた袋)が黄体へ変化し黄体から分泌されるプロゲステロンという女性ホルモンによるものです。このホルモンは着床や妊娠維持に重要な役割を果たします。したがってプロゲステロンが十分に分泌されていないと黄体機能不全という診断で不妊症の原因になるため、ホルモンの補充が必要になります。検査時期は排卵から約1週間後が良いとされています。排卵検査で受診されている場合は排卵日がある程度予測可能なため、医師の指示した日に血液検査に来てください。もし排卵検査の受診をされていない場合は基礎体温がしっかり高温期に入ってから5日後くらい、もしくは排卵検査薬がしっかりと陽性に出た7日後くらいを目安に検査を行います。

以上で不妊ドックのすべての項目が終了です。何か異常が見つかった場合にはそれに対して治療をすることで妊娠しやすくなります。もし何も異常がなかった場合でそれでも半年以上ご妊娠に至らない場合は「原因不明不妊症」ということになり、その場合は積極的に「腹腔鏡検査」や「体外受精」をお勧めしています。

「腹腔鏡検査」では腹腔内の状態(子宮、卵管、卵巣)を腹腔鏡というカメラを用いて直接観察する方法です。原因不明不妊の多くは卵管の先端(卵管采)の周囲癒着による卵子ピックアップ障害による卵管不妊といわれています。卵管造影検査では判定できない部分です。腹腔鏡ではこれを診断し、同時に治療(癒着剥離術)も可能です。

「体外受精」は治療と同時に卵子の状態(質)をチェックすることができます。また、受精の可否も確認できますので、受精障害も診断できます。
どちらをお受けになるかはご夫婦の判断ですが、実際のご年齢や卵巣予備機能、不妊期間、治療歴、ホルモン値などを考慮し、最終的には医師と相談の上決定します。

次回からは不妊治療についてお話します。

医師 長谷川 裕美子