医師コラム

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不妊治療4 体外受精

今回は体外受精の流れについてお話します。体外受精となると、通院回数が多そう、身体の負担が大きそう、金銭的な負担も大きそうといったイメージがあるかと思いますが、実際タイミング指導や人工授精に比べると確かにそうです。施設にもよりますが、初回の体外受精では月経2~4日目までに受診し、ホルモン検査を行い、体外受精に適した周期であるか判断します。もしホルモン値が不良な場合はその周期はお休みをし、次の周期に延期されることもあります。
ホルモン値が問題なければ、卵胞を育てるための卵巣刺激を開始します。卵巣刺激の方法は、排卵誘発剤を一切使用しない完全自然周期法、身体の負担や副作用を考慮し軽度に誘発をする準自然周期法、排卵誘発剤を最大限使用し複数個の卵子の採取を目的とするLong法やShort法といった刺激周期法があり、これは事前に行た卵巣予備能(AMH、FSHの値など)、超音波所見(卵巣嚢腫の有無、胞状卵胞数)、年齢、過去の治療実績などを考慮して.個人にあった最適な方法を選択していきます。
完全自然周期法は刺激をしないので採卵できる卵子は1個ですが、卵巣に負担がかからないので何度でも毎月でもトライが可能です。排卵誘発剤を使用しても1個しか育たない場合や、過去に卵巣刺激をして複数個採卵しても、受精卵の質が悪かった場合
などに選択します。
準自然周期法は、排卵誘発剤(内服、注射)を数回使用して複数個(3~5個)の採卵を狙う方法です。重篤な副作用は起こりにくく,卵巣の負担も軽度ですが毎月のトライはできません。
刺激周期法では連日注射を行い複数個(10個以上)の採卵を狙う方法ですが、卵巣過剰刺激症候群などの重篤な副作用の危険性や卵子の質を低下させてしまう危険性があります。
卵巣の刺激法が決まったらスケジュールに伴い、通院または自己注射で卵胞を育てます。月経9~10日目頃に診察をし、卵胞が成熟したら採卵日が決定し、それにあわせて2日前に点鼻スプレーもしくは注射で排卵を促します。採卵日には精子をお持ちいただき、採れた卵子と掛け合わせて(もしくは顕微授精)、受精卵を作ります。無事に受精したことが確認できればそのまま2~3日間培養させ、(胚盤胞の場合は5~6日培養)受精卵を子宮内に戻す胚移植を行います。そして移植から14日後妊娠判定を行う、と言う流れになります。
卵巣刺激が強く、採卵数が多かった場合は卵巣過剰刺激症候群予防のため、受精卵をすべて凍結し次周期以降に移植をすることもあります。また、残った受精卵(余剰胚)は凍結保存し、次周期もしくは次の妊娠まで凍結しておくことも可能です。

医師 長谷川 裕美子