医師コラム

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先天性欠如歯

乳歯は20本、永久歯は親知らず(第3大臼歯)まで含めると32本生えてきますが、生まれつき歯が足りないことがあります。これを歯の先天性欠如といいます。
乳歯と一部の永久歯は、お母さんのお腹の中にいるときに作られます。歯のもととなる歯胚(しはい)の形成が始まるのは胎生7週頃で、胎生4ヶ月頃には石灰化が始まり歯が硬くなります。先天性欠如歯は何らかの原因で歯胚が作られないことで起こり、乳歯にも永久歯にもみられます。遺伝や全身疾患、薬の副作用など影響していると考えられていますが、はっきりとした原因はよくわかっていません。
歯の種類別では、下顎第2小臼歯(前から5番目)と下顎側切歯(前から2番目)の欠如が多く、次いで上顎第2小臼歯(前から5番目)、上顎側切歯(前から2番目)の順に見られます。
乳歯の先天性欠如の場合、必ずしも永久歯の本数が足りなくなる訳ではないので、レントゲンで永久歯の本数を確認し、ほとんどの場合経過観察になります。
永久歯が先天的に欠如していると、その生えるべき場所の乳歯が抜けずに残ったままになりますが、乳歯はエナメル質や象牙質が薄く、歯根も短いので、多くの場合20歳前後で抜けてしまいます。乳歯が抜けてしまった永久歯の先天性欠如部分を放置すると、歯並びや噛み合わせが崩れる恐れがあるため、治療が必要となります。まずは歯並びや噛み合わせに問題が起きないよう、残った乳歯を出来るだけ長持ちさせ、永久歯の代わりの歯として使うことを優先します。

医師 畑 昌子