医師コラム

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さわやかな息

口臭は他人から指摘されると恥ずかしい思いをします。もちろん皆自分が指摘されるといやだから、あえて他人に「お口が臭いますよ」とは言いません。いや、言いたくてもなかなか言えません。自分に口臭があると自覚していれば、心理的不安を感じ無口になったり、人に会うのが億劫になったりして、コミュニケーションの妨げにもなります。逆に、自身のにおいに無頓着な場合は、周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。
口臭の強さは人それぞれ個人差はあるものの、基本的に誰にでもあります。しかし正しく歯磨きをしていれば、他人に分かることはありません。ニンニクやアルコールの摂取量が増えれば、一時的に臭くなることはありますが、時間とともに弱くなっていきます。
一方、時間とともににおいが減じないのは、歯周病を引き起こす歯周病原性細菌や舌苔(ぜったい)と呼ばれる物質から発される強い臭気です。歯周病の場合は歯科医院での歯周病治療が必要です。

本稿では後者の舌苔についてお話します。
舌苔とは、舌の背面が白や黄色味がかかった苔状に積み重なっているものをいいます。新陳代謝ではがれた歯茎や口腔粘膜、細菌の死骸などを構成するたんぱく質が正体です。これを落とすには、やわらかめの歯ブラシか舌ブラシとよばれる専用のブラシが有効です。両方とも市販されています。口腔内を水で湿らせてから、舌の奥の方から手前に軽く?き出すようにブラシを動かしてみましょう。舌苔を取り除きたい気持ちが高じて、強くブラシを当ててしまうとデリケートな舌粘膜を傷つけてしまいますのでご注意を。

大学病院などには口臭測定器が導入されているところもあり、口臭の有無を数値で算出することも可能になっています。口臭があると思い込んでいた人でも、客観的に数値化されると、実は思いこみだったと納得できる場合もありそうですね。

歯科医師 畑 茂