医師コラム

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むし歯を削る機械の音と痛みの関係

口の中にむし歯があるのは承知しているし、歯医者で治療してもらわなければ良くならないことも知っている。でも、歯を削るあの機械音が怖くて歯科への足が遠のいている方はいらっしゃいますか?
あのキーンという音と、以前に体験した痛みの記憶が頭の中で勝手に結びつき、クリニックの待合室で座っているだけで冷や汗が出てきたりする方もちらほら…。
患者として治療台の上で口を開けた状態で横になっていると、口の中でどのような治療が行われているのかが直接見えず、音と振動だけを感じ、ますます不安が増幅してくる方も多いでしょう。
歯を削る道具は、大きく分けて2種類あります。キューンという高い音のするエアータービンという高速回転の切削器具と、音は小さく回転力に優れるマイクロモーターという低速回転の切削器具です。前者は短時間で歯の表面の固いエナメル質などを削ることができ、歯への振動もほとんどありませんが、高回転ゆえにトルクが足りず、金属を削るのは困難です。後者は回転力が強いので、歯の本体である象牙質を削ったり細かな形を整えるのには向いていますが、歯にゴトゴトと響く振動がダイレクトに伝わり、不快感を感じることもあります。歯科医はこれらの道具を歯の状況に合わせて使い分けています。車の運転におけるギアチェンジに似ているかもしれません。
現在の技術では機械の仕組み上、音や振動を歯科治療から完全に無くすことはできません。すごい音がしたので、いったいどれだけ大きく削ったのかと心配される方もいますが、削る量は意外と少ないです。歯科医は基本的に必要部分以外なるべく削らな
いで治療をするように教育されています。
歯の疾患の最大の特徴は自然治癒が望めないことです。口腔内にトラブルを抱えている場合は、治療を先送りせず早め早めに受診されることをお勧めします。

歯科医師 畑 茂