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死について28

「いじめを苦に自殺未遂」をした少年の話の続きです。
皆さんは、自分がある日突然、クラスメートから集団でいじめられ始めたらどう思いますか? 読者の中には彼の気持ちが分かる方もいらっしゃるかもしれません。この少年は、「どうして僕がいじめられるのだろう?何が悪いのだろう?」と困惑し、次第に「自分が悪いのだ」と思うようになり、何とか受け入れてもらおうと偽りの自分を演じ続けます。しかし、いじめは被害者がどれほど努力したとしても、加害者側が変わらない限り解決はしません。結局、彼は3ヶ月間孤立奮闘し、エネルギーを使い果たし、これまで述べてきた「思考の狭視化」に至ってしまうのです。「もう無理だ」と思い、「学校に行けない」と親に言うのですが、このような状態でも心配をかけない良い子であろうとするあまり、いじめの事実は伝えませんでした。両親は全く彼
の苦悩に気付けず、「頑張りなさい」「何、弱音吐いているの」と言います。この言葉を聞いた途端、彼は「最後の命の綱がプツンッと切れた」と感じたそうです。幼少期にくだらないことを経験したことがなく、親の言いなりに生きる方法しか知らず、エネルギーが枯渇している限界状態の脳で考えているので致し方ないとは思いますが、親の叱咤激励は、彼にとって「僕が弱いからダメなのか。強くなれって言うけれど、もう強くなんかなれない。学校に行けない僕は死ぬしかない」という結論に直結しました。冬休みに彼はある薬を大量に買い集め、3学期の始業日に遺書を書き、その薬を大量誤飲します。両親が彼を見つけた時は意識朦朧状態で、親は遺書を読んで初めて息子が命をかけるほど苦しんでいたことを知ります。彼は救急搬送され、蘇生さ
れ、意識を取り戻します。そして、その時の両親の「学校なんか行かなくて良い」という一言で、「もう一度生きてみよう」と思ったそうです。彼はこの未遂の1ヶ月後に子どもの人権110番に電話をします。

医師 元田 玲奈