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脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症(高脂血症)は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が必要以上に増えてしまう病気です。その結果、血管の壁にコレステロールがたまり、血管の内腔が狭くなり、将来的に狭心症、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこともあります。

原因として、過食や運動不足による肥満、ストレス、過労、喫煙などよくない生活習慣があげられます。一方で生活習慣とは無関係に遺伝的原因でコレステロール値が高い「家族性高コレステロール血症」の人も人口500人に1人の割合でみられます。

コレステロールには、動脈硬化を進行させるLDL(悪玉)コレステロールと、それを阻止するHDL(善玉)コレステロールがあります。血液中にLDLコレステロールが増えすぎることによって、血管の内腔が狭くなったり詰まったりして動脈硬化が進行していきます。高脂血症には特別な自覚症状がないため、治療の必要性を感じない方も多いようですが、前述のように生命に危険な心筋梗塞や脳梗塞につながることがあり、放置することは危険です。高脂血症と診断された方は、まず生活習慣の見直しからはじめますが、3ヶ月程度続けてもLDLコレステロール値や中性脂肪値が思うように下がらない場合には、お薬による治療も考えます。ただし、糖尿病を合併しているなど動脈硬化のリスクが高い方はすぐに薬物治療となることがあります。

医師 中澤 哲也