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こんな方は緑内障に注意!?

日本での失明原因の第1位は緑内障です。40歳以上の日本人の緑内障の有病率は、5%くらいあることが疫学調査でわかりました。つまり20人に1人の割合で緑内障の患者さんがいるということになります。
自覚症状に乏しい眼疾患の1つである緑内障は、病状の後期(末期)にならないと症状を自覚することが難しく、早期発見には人間ドックや会社健診などの積極的、自発的な検査がとても大切です。会社等で定期的に健診を受ける機会の少ない自営業の方や、専業主婦の奥様などは緑内障検診をする機会を逃してしまっていて、眼科受診時の外来でたまたま発見されるケースが増えています。
今回は、米国眼科学会からも報告された緑内障リスクを高める要因をご紹介します。
1家族歴 親または兄弟に緑内障患者がいると発症リスクが9倍高くなるという研究報告がある。
2加齢 緑内障リスクは加齢により増加することから40歳からは、眼科医による眼科検診をすすめている。
3アフリカ系、ヒスパニック系またはアジア系人種 アフリカ系とヒスパニック系は一般的な緑内障を発症するリスクが白人の3倍高く、特にアフリカ系米国人は、緑内障による失明が白人より6倍高い。アジア系人種は閉塞隅角緑内障(急性緑内障)の発症リスクが高い。
4近視 近視の人は緑内障になりやすく、ある研究では近視が重度であるほど緑内障リスクが高まると報告されている。
5糖尿病(2型糖尿病) 糖尿病を患っている期間が長いほど緑内障リスクも高くなる。
上記のリスクのうち一つでも当てはまる40歳以上の方は、たとえ視力が1.0あつた場合でも緑内障を完全に否定することはできません。将来のご自分の視力を守るためにも自己判断を過信せず、年に1度は眼底検診を受けましょう。

眼科医師 岡野 喜一朗