医師コラム

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手足の皮がむける

日本でもシンガポールでも時々みられる皮膚症状のひとつに「手足の皮がボロボロむけてくる」という症状があります。大人でもみられますが、小・中学生のお子さんに比較的多くみられます。診察をしてみると手の平(手掌)や足の裏(足底)がしっとりと湿っている方、または湿っている部分と乾燥している部分が混在している方が多く、発汗過多による「異汗性湿疹(皮膚炎)」のケースが多くみられます。

手掌や足底にはサラサラとした汗を分泌する「エクリン汗腺」が数多く存在します。
このエクリン汗腺から分泌される汗の量が急激に増えると、角質がふやけてボロボロはがれて来るという現象が起きやすくなります。特にお子さんは体温調節や発汗のコントロール能力が未熟なため、成人よりも症状が出やすい傾向にあります。
日本ですと季節の変わり目、天候が不安定な日が続く春秋などに多く見られますが、シンガポールでは冬休みや春休みで日本に帰省した後に発症するケースが多いようです。赤道直下で1年中蒸し暑いシンガポールから数時間で12月~3月の寒い日本に移動するわけですから、未発達のお子さんの体が急な気温や湿度の変化に対応できない可能性は十分に考えられます。もちろん体質的に手掌や足底に汗をかきやすいという方も少なくありません。また精神的な緊張で汗をかきやすいという場合もあります。手足に限らず多汗症は家族内で同様の症状を持つケースが多いため遺伝する可能性もあると言われていますが、現代の医学ではまだ解明されていない部分も多く、全員が必ず遺伝するとは限りません。

自覚症状として痛みや痒みは少ない場合がほとんどですが、お子さん自身が気にして触っているうちに皮膚を傷付けてしまい、そこから細菌やウィルスに感染しやすくなる傾向があります。なるべく自分で触らないよう注意し、汗をかいた後はなるべく早めにシャワーなどで洗い流してさっぱりするようにしましょう。
また足底の多汗による皮膚症状がある場合、帰宅後は靴の中に乾燥剤を入れたり、お天気の良い日にはベランダで太陽光に当てるなど、靴の中の湿気を取り除く工夫をして下さい。必要に応じて汗によるベタつきを抑えるような塗り薬を処方する場合もあります。ご心配な方は皮膚科医に御相談ください。

医師 大木 理香