医師コラム

日本独自のものは疑いましょう
2019年1月2日

掌蹠多汗症

掌蹠多汗症とは、手のひらや、足の裏に多汗がみられる状態です。蒸発量を超えた量の汗が出るため、日常生活に支障が出る場合もあります。緊張したり、運動した後などに悪化することが多いです。

原因不明で小児から思春期頃に発症することが多く、成長とともに経過すると考えられています。最近の疫学調査では5.3%の人にみられる疾患となっており、まれではないと考えられます。

治療は、軽症、中等症の場合は20%塩化アルミニウム液を塗る、または密封療法をすることが第一選択となります。塩化アルミニウムの外用は、腋窩の多汗症に対してはとても効きますが、手のひらや足の裏に効果的に使うためには外用方法に工夫が必要です。イオントフォレーシスは、イオン導入器を用いた治療法ですが、手のひらや足の裏の多汗症にはとても有用です。治療中、患部にやや刺激がありますが、小児でも施行可能です。ただし、複数回の施行が必要です。
重症の場合はA型ボツリヌス毒素の局所療法や、内視鏡的胸部神経遮断術(ETS)などがあげられます。ただしETSは、手掌多汗症のみの適応であり、ほかの可逆的な治療を試したけれど効果がない場合に初めて選択肢にあがります。

手のひらや、足の裏の汗でお悩みの方は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

医師 大月亜希子