医師コラム

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ジカ熱

ジカ熱は、蚊によって媒介されるジカウイルスによる感染症です。
シンガポールでは、2016年8月27日にアルジュニード地区で一人目のジカ熱感染の報告後、10月7日現在まで400名の感染が確認されています。
潜伏期間は3~12日です。80%の人は感染しても症状はでません。症状は発熱、発疹、関節痛・筋肉痛・頭痛、結膜充血が見られ4~7日程度続くとされています。
基本的にデング熱より症状は軽く、治療は痛みや発熱に対して解熱鎮痛剤を投与する程度にとどまることがほとんどです。ジカ熱が治ったあとにギラン・バレー症候群という神経の病気の報告もあり経過観察は必要ですが、多くの場合ジカ熱そのもので健康な人が死に至ることは稀ですので、過度に心配する必要はありません。
しかし、ジカ熱は妊娠中の女性が感染すると、頭部が先天的に小さい子どもが生まれる可能性があるとされています。そのため、妊娠中に発熱、発疹、結膜炎など、ジカ熱を疑う症状がある場合は、かかりつけの医師へ相談をお勧めします。(なお、無症状の妊婦への定期的なジカ検査は2016年5月のWHOのガイドライン上では推奨しないとされていますが、ご心配の場合はかかりつけの産科医にご相談されるとよいでしょう。)
ジカ熱の予防は、日中に蚊に刺されない工夫が重要です。具体的には、長袖服・長ズボンの着用、昆虫忌避剤(DEETを含むものが効果が高い)の使用などです。また、妊婦あるいは妊娠の可能性のある女性は、シンガポールではジカ熱流行地域が下記のインターネットサイトで確認できるので流行地域は避けるようにしましょう。
http://www.nea.gov.sg/public-health/vector-control/overview/zika-cases-clusters

医師 佐野 智彦