医師コラム

2024年2月6日

肘内障のアレコレ

肘内障とは、子供が手を引っ張られた痕などに、痛がって腕を動かさなくなる症状のことです。 主に5歳以下の子供に多くみられ、肘の外側の骨(橈骨)の頭から靭帯がはずれかかるというのがその病態です。医療用語的には、「亜脱臼」という状態です。 どんなふうに受傷したのかをよく聞き、この病態を疑ったら外来で徒手整 […]
2024年1月30日

赤ちゃんがほしい3

前回は生理中から生理直後に行う検査についてお話しました。今回は排卵期に行う検査についてです。月経周期が28―30日周期の方は月経10―12日目に受診して経腟超音波で子宮や卵巣に不妊の原因になるような異常(子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍など)がないかの確認とともに卵胞という卵子の入った袋のサイズ […]
2024年1月23日

食べかすが歯に挟まる

隣り合った歯の間に食べかすが挟まる不快な経験をされたことのある方は多いと思います。専門用語で食片圧入(しょくへんあつにゅう)といいます。 挟まる場所が歯と歯の間に限られていれば、違和感や歯が浮いたような感覚があるくらいで済みます。しかし大きめの食片が長時間挟まり続けた場合には、歯と歯肉の間に食片が食 […]
2024年1月16日

大腸がん検診としての大腸内視鏡検査

2019年の日本でのがんの統計をみると、大腸がんの罹患者数は男性で第2位、女性で第2位で、男女を併せた総数では第1位となっています。 大腸がんの検診としては、日本では1992年から40歳以上を対象とした便潜血検査が導入されており、一定の効果を上げています。もちろん検査としての精度は大腸内視鏡検査の方 […]
2024年1月9日

糖尿病の合併症

今日、日本の糖尿病の患者数は予備軍を含めると2210万人と推定されていますが、実際に治療を受けている糖尿病患者の数はその10分の1程度にすぎません。治療を受けている人の数が少ない理由として、糖尿病は初期段階で自覚症状がないために放置されがちであることが考えられます。ここが糖尿病の盲点になっています。 […]
2024年1月2日

8020運動から9020運動へ

よく噛んでおいしく様々なものを食べるには、少なくとも20本以上の歯が必要だと言われています。また、20本以上歯が残っている人は寝たきりや病気になる率も少ないと言われています。そこで、「高齢になっても20本以上の歯を保ちましょう」と1989年から厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進しているのが「802 […]
2023年12月26日

光老化

光老化とは、日光ないし紫外線に当たり続けることによっておこる皮膚変化のことを言います。 加齢とともに、顔にシミやしわが出てきたりいぼ状の変化が起きたりしますが、これは年齢を重ねたから起こるとは限りません。年齢を重ねても、日光を浴びない太ももの内側などは色が白くやわらかで、細かいしわはあるものの深いし […]
2023年12月19日

より身近になるモニタリング

最近、診察室で患者さんが血圧、睡眠、運動、頭痛などの記録を見せてくれることが増えてきました。これにより、より細かい対応ができるようになっています。 家庭で測定した血圧の方が、診察室で測定した血圧よりも重要です。また、運動の量や質の記録も、Stravaなどのアプリを使えばより詳しく評価できます。睡眠の […]
2023年12月12日

ちょっと胡散臭かったB―SPOT 療法から、世界へ羽ばたくEATへ

慢性上咽頭炎、上咽頭擦過療法、B―SPOT療法、EAT・・・ほとんどの方には馴染みのない言葉だと思いますが、タイトルを見て敏感に反応された方も、一部にいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんなごく一部の方のためのお話です。 先日、日本人会クリニックの仲山先生も解説されていましたので、ご覧になっ […]
2023年12月5日

そこに医者はいない

最近、寝ても2時間後に目が覚めてしまう。そこから2時間も3時間も眠れない。すると、昼間ぼおっとしてしんどくなる。何かと忙しく、ストレス性の不眠だろう。 日本にいた頃はもっと忙しかった。昼食は夕方に食べるものだったし、当直医がいても、自分たちも真夜中まで働いていた。でも、不眠だったことはない。当時に比 […]