DPT (ジフテリア、百日咳、破傷風) – 予防接種

1. 予防する疾患・感染症

ジフテリア(Diphtheria)、百日咳(Pertussis)、破傷風(Tetanus)の3つの病気を予防します。

百日咳は、文字通り回復までに約3ヶ月間かかる、夜間のひどい咳き込み発作を特徴とする感染症です。生後6ヶ月未満の乳幼児が感染すると呼吸を止めてしまうこともあり、非常に怖い病気です。母親からの移行免疫はほとんどなく、生れたすぐの赤ちゃんがかかることもあり、乳児期の早い時期に予防接種できちんと免疫を作っておいたほうが良いといわれています。

ジフテリア菌は主に喉(のど)に感染し、その炎症で時に呼吸困難や窒息に至ることがあります。また、その毒素は心臓や神経に作用して、呼吸筋麻痺や心不全になることあり、致死率の高い病気です。

破傷風菌は土壌中に存在するため、どこでも感染し得ます。主に傷口から体内に侵入し、産生された毒素によりしびれなどから始まり、最悪の場合は全身けいれんと呼吸困難で死に至る病気です。自然感染により免疫ができる病気ではないので、予防接種のみが唯一の予防になります。

DPTは、いわゆる「3種混合」と呼ばれており、2012年からは日本でもこれに不活化ポリオワクチン(IPV)を加えた「4種混合ワクチン(DPT-IPV)」が導入されました。シンガポールでは、DPTもDPT-IPVも使用せず、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)および6種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib-HepB)を使っています。これらの打ち方はDPTやDPT-IPVと同じです(下記 3)。5、6種類もの刺激が一度に体に入るため、予防接種後2日以内には発熱したり、少し元気がなくなったり、発疹が出たりする確率はやや高くなりますが、重篤な副作用は報告されていません。一度に何種類もの免疫をつけることができるメリットがあります。

2. 日本:定期接種 シンガポール:定期接種

3. 接種時期および接種回数

生後3ヶ月(シンガポールでは生後2ヶ月)から接種可能。通常3〜8週間間隔で3回。3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を追加接種。

4. 接種方法

日本では皮下注射
シンガポールを含む他の国では筋肉注射

5. 効果の持続期間

約10年(日本でもシンガポールでも、11歳前後でDTまたはTdapによる2回目の追加接種を行うことで、20歳代くらいまでの免疫持続を図っています。)

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